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欧州のフィンテック受注件数は2016年も過去5年間で最高に!フィンテック関係者はEUにおけるPSD2の進展に期待


欧州のフィンテック受注件数は2016年も過去5年間で最高に!フィンテック関係者はEUにおけるPSD2の進展に期待

世界的には受注件数が減少しつつあるフィンテックビジネスだが、欧州におけるフィンテック企業の受注件数は2016年も過去5年間で最高を記録した(2月15日付英Financial Times紙:以下FT紙)。

データ分析会社CBInsights社のレポートによれば、2016年の欧州のフィンテック受注件数は2015年に比べて11%増の179件で、最も大きかった10件の取引の内、9件についてはドイツと英国が獲得した。欧州の受注件数は2011年の総件数に比べて124%の増加。一方、2014年に最高を記録した米国は、422件と、2014年に比べて8%減少した。

近年の欧州におけるフィンテックビジネスの増加について、Skypeの創業者で、欧州のベンチャーキャピタルAtomicoの創業者でもあるニクラス・ゼンストロム氏はFT紙の取材に「ヨーロッパは米国に比べて競争力がある。米国ではすべてが、州別に規制されているが、ヨーロッパなら、一つのパスポートで自由にビジネスができるからだ」と語った上で「英国がEU を離脱すれば、英国の企業はヨーロッパの別の国に会社を作る必要が生まれるかもしれないが、それもそれほど難しくない」。

とはいっても、取引件数は増加しているものの、2016年の欧州のフィンテックへの投資金額そのものは12億ドルと、前年に比べて25%減少しているとFT紙は指摘する。米国もまた29%減少しているが、米国のフィンテックのビジネスの49%がシリーズBもしくはそれ以上のものであるのに対して、欧州ではまだ第一段階といえるシリーズAのビジネスが多く、米国に比べて金額そのものは少ないのが現状のようだ。

そんな欧州のフィンテックビジネスだが、それも2017年中にEU加盟国内で法制度化が予定されているPSD2(決済サービス指令2)の進展によっては大きく変化しそうだ。

決済サービス指令とは、「決済サービス利用者の依頼により、他の決済サービス提供者に開設されている決済口座に関し、 支払指図を発動するサービス」(金融庁総務企画局2016年9月発表資料)のことで、日本でも検討が急がれている課題の一つ。

例えば「オンラインショップにおいて、商店主のウェブサイトと利用者の銀行のオンラインシステムをつなぐシステムを構築することにより、インターネット上で銀行口座振替による決済を行うサービスなどが想定」(同)されており、銀行以外のノンバンクやインターネット事業者などが次々に参入を始めている。今後、EUでも具体化が進めば、欧州のフィンテック関係者のビジネスは間違いなく拡大するだろう。

<益永 研>