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【日本仮想通貨事業者協会】日本仮想通貨事業者協会の「2017年3月度勉強会」に潜入


4月1日施行の仮想通貨関連法案やビットコイン分裂問題についてセミナー

4月1日、仮想通貨に関連する「銀行法施行令等の一部を改正する政令等」が施行されるのを控え、3月28日に開催された日本仮想通貨事業者協会3月度勉強会では、同施行令に対するパブリックコメントの結果についてアンダーソン・毛利・友常法律事務所の河合健氏が説明したほか、施行後に議論が持ち越された仮想通貨関連の会計・監査の動向について、PwCあらた有限責任監査法人の鈴木智佳子氏が説明、また、畠山久志同協会理事が、前週、訪問した中国のBitcoin規制の最新事情について報告した。最後に、最近話題になっている「Bitcoin Unlimited問題」について、ブロックチェーン大学校(株)のジョナサン・アンダーウッド氏が、「ハードフォークの脅威」と題して講演した。

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(写真 勉強会/ 幸政司 氏)

まず、パブリックコメントの結果については、150件のコメントが集まったとした上で、4月1日以降の登録について、まず4月1日時点で仮想通貨交換業を行っている者については、同日以降、登録未了でも業の継続は可能だが、資金決済法、犯収法などの政省令における義務を順守する必要があるとし、施行日から6か月以内に登録申請が必要と説明。また、4月1日時点で交換業を行っていないものについては、登録が完了して初めて交換業を行うことが出来ると説明した。

その上で、登録申請書の記載事項や利用者保護等に関する措置、分別管理仮想通貨の範囲、監督上の着眼点など、今回のパブコメ回答のポイントを説明。その中には、特定取引(①200万円を超える仮想通貨を法定通貨と交換する、②10万円を超えて移転する)について、顧客の依頼に基づいて移転させる行為は特定行為に該当するが、口座管理手続き等のために、顧客からの依頼に基づかず利用者の仮想通貨の移転を行う場合には、特定取引に該当しないなど、詳細な指摘もあった。

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(写真 河合健 氏/鈴木智佳子 氏)

仮想通貨事業者の監査について公認会計士協会が3月27に素案を発表

4月28日までパブリックコメントを募集しているが、現段階では、まだ最終的にいつ確定するのか、予定が立っていないと説明された。これについて勉強会では、「財務諸表監査があるので、できるだけ早く会計基準を作って欲しいという意見と、海外の実務や、将来発生するであろう形態を見ながら、慎重に検討して欲しいという意見の2つがあり、金融庁も含めて慎重に検討する姿勢にある」と指摘。当面は仮想通貨の期末評価法(時価あるいは定価等)など、必要最低限のものから検討するとされた。

一方、交換業者における分別管理については、分別される利用者資金と、業者の自己資金の帳尻は毎営業日計算して、2日以内に合わせることとされ、分別方法は、預貯金か、金銭信託のどちらかを選ぶ(併用は認められない)こと、その上で例えば委託者がクレジットカードなどで入金し、決済が遅れる場合には、交換業者自身が補完することなどが説明された。

前週、中国に訪問した畠山理事は、中国では2013年の通達で、金融機関がビットコインを扱うことは禁止したが、個人については取引を認めていたと、中国におけるビットコイン取引の経緯を説明。その上で今年1月、当局が複数のビットコイン交換所を検査したのは、違法融資やマネーロンダリングなどの問題を検査したもので、当局者から直接聞いたところでは、ビットコインがグレーゾーンになるのはまずいということで、今後は当局が規制に乗り出すという、現在の中国当局の意向も報告した。その上で今年5月からネットでのコインとの交換を禁止するという話もあったとも指摘した。

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(写真 畠山久志 氏/ジョナサン・アンダーウッド 氏)

Bitcoin Unlimited問題は
ハードフォークとスケーラビリティの議論に

注目されているBitcoin Unlimited問題については、自身もブロックチェーンのエンジニアであるアンダーウッド氏が、現在の対立は、まずビットコインの本流として主として使われているソフトウェア「Bitcoin Core」が、アップグレード前のノードでも否定されないソフトフォークであるのに対して、「Bitcoin Unlimited」はアップグレード前のノードを拒否するハードフォークであることが第一の論点。

また、ビットコインのブロックサイズ(最大取引量)は現在、1メガバイト(1MB)に制限されており、その処理能力も7tp(7取引/1秒)と、VISAカードなど大手クレジットカードの処理能力(2500~7000取引/1秒あるいはそれ以上)に比べて非常に少ないのに対して、「Bitcoin Unlimited」を使用すれば、ブロックサイズを大型化できるという「スケーラビリティ」の議論も焦点になっていると説明した。

公演後、受講者からは「先生ご自身は、Bitcoin CoreとBitcoin Unlimitedのどちらを支持されていますか?」といった質問もあった。アンダーウッド氏はこれには、「個人的には従来通り、Bitcoin Core」とした上で、「しかし、Bitcoin Unlimitedへの支持も広がりそうです」とコメントしたのが印象的だった。

<益永 研>