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【日本仮想通貨事業者協会】Ripple社CTO講演。日本仮想通貨事業者協会の「2017年4月度勉強会」に潜入


仮想通貨交換業に関わる法制度整備の背景や目的とRipple社CTOによる仮想通貨XRPの概要と特徴の解説

4月27日、東京で、日本仮想通貨事業者協会の4月度勉強会が開催された。当日は、午後5時から、元金融庁監督局金融監査室で資金決済法改正のガイドライン作成に携わった福井崇人氏(現アンダーソン・毛利・友常法律事務所)が仮想通貨交換業に関わる法制度整備の背景や目的、貸金業・資金移動業との関係、差金決済取引の取り扱い等について、続いて午後6時からはRipple社(本拠地:米国サンフランシスコ)チーフ・テクノロジー・オフィサーのステファン・トーマス氏が「仮想通貨XRPの概要と特徴」と題して講演した。

仮想通貨に関わる法的整備の目的

福井氏はまず、仮想通貨に関わる今回の法制度整備の背景として、26年4月24日にビットコイン交換業者MTGOXが破産手続きを開始した後、27年6月のエルマウ・サミット首脳宣言やFATF金融活動作業部会などで世界的に「仮想通貨と法定通貨を交換する交換所に対し、登録・免許制を課すと共に、顧客の本人確認や疑わしい取引の届け出、記録保存の義務等のマネーロンダリング・テロ資金供与規制を課すべき」との姿勢が固まったと指摘。わが国でも今回、マネロン・テロ資金供与規制及び利用者保護を目的として、交換業者の登録制が導入され、規制の対象となったと説明した。

仮想通貨と交換業者の定義

次に登録する交換業の定義については、交換業者には、交換業者とその取次、媒介、代理などがあると指摘。また、交換業者が取り扱う仮想通貨には1号と2号の2つの定義があることも説明した。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 福井崇人氏

それによれば、どちらも①電子的に記録され、インターネットで移転できる②通貨または通貨建て資産ではない点は共通しているが、その内、(1)不特定の者に対して弁済のために使用できる(2)不特定の者との間で売買できる(法定通貨との交換ができる)ものを1号仮想通貨(3)不特定の者との間で1号仮想通貨と相互に交換できるものを2号仮想通貨と定義する。いわゆる「プリペイドカード」やポイント・サービスにおける「ポイント」は仮想通貨には該当しない。

また、すでに数多く出現し、今後、問題が発生すると考えられている「詐欺的コイン」についても、今回の登録を契機に、仮想通貨ガイドラインに従って、その仕組みや流通状況、リスク、あるいは利用者からの苦情、認定資金決済事業者協会の意見等の外部情報も踏まえて判断、登録可否に対処すると説明した。

先物・CFD等の「差金決済取引」は資金決済法の規制外

一方、登録が必要かどうかについて、パブリックコメントでも質問が見られた「貸金業」、「資金移動業」との関係は、まず仮想通貨を用いた信用取引等を行う際、利用者に金銭の貸付を行う時には交換業者も貸金業の登録を受ける必要があると指摘。また、交換業と資金移動業との登録関係については、仮に交換業者が仮想通貨の移転を引き受けても、資金移動業には該当しない。ただ、仮想通貨の売却代金を第三者に送付する場合には、資金移動業に該当するとの説明があった。

ちなみに、仮想通貨の先物取引やCFDなどの差金決済取引については、証拠金取引では、業者から利用者に対する金銭の貸付が生じないため、信用取引と異なり貸金業の登録は不要。また、差金決済取引については、資金決済法の対象外だと、福井氏。

つまり、現状では、誰でも、仮想通貨の先物やCFDが提供できる。いわゆるグレーゾーンといっていい。

登録申請と拒否要件

次に、仮想通貨交換業の登録に関する拒否要件については、株式会社または国内に営業所を有する外国法人でないものは拒否される等、多くは証券、FX、商品先物のそれにほぼ準じているが、財産的基礎が資本金1000万円以上など、他業種に比べるとハードルが低いと感じられる部分もある。ただ、仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が求められるため、「実際の登録申請に際しては、厳しい審査が予想される」(協会関係者)。

登録申請は、施行日である今年4月1日から起算して6か月間。この6か月間で登録申請を行えば、登録(または登録拒否処分)がなされるまではみなし業者として、仮想通貨交換業を継続できる。

仮想通貨XRPの概要と特徴

次に講演したステファン・トーマス氏はまず、2007年当時、ロンドンでWebエージェンシーを経営していたが、当時は、銀行送金に代表される古い金融システムだったため、世界中のエンジニアへの報酬支払いが大変だったと、自身が仮想通貨に関わった経緯から振り返った。

その後、2010年には自身もビットコインのジャバ・スプリット・プロジェクトに参加するなど、技術面でビットコインに関わったが、「当時はペイパルなどの支払いシステムに比べると、ビットコインはまだ使いにくいと感じていた。しかも同じ問題が何度も繰り返されてもいた」と指摘。「しかし、Ripple社のメンバーはそうした問題の答を持っていた。しかも情報と共に、お金を簡単に送金できるテクノロジーも持っていた」と、参加当時にRipple 社の技術に驚いたと語った。

Rippleには、銀行間の決済のためのブリッジ・カレンシーとしてXRPがあり、世界の大手銀行、ノンバンクなど50行以上が参加するリップル・ネットワークを構築している。ネットワーク内で、XRPは他の通貨と自由に交換することができ、その市場価格はドル、ユーロ、円、ビットコインなどに対して変動する。他の通貨と異なるのは、XRPによる取引は銀行口座を必要とせず、サービス手数料もかからない。取引先のリスクもなく、運用コストが増えることもない。このネットワークには日本からもみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行が加わっている。

こうした背景からステファン・トーマス氏は、XRPはすでに、国際的に「メジャー」な存在だが、一般的には「まだ正確な情報が知られていない」とした上で、この日は、①Ripple 社のビジョン、②銀行とのパートナーシップ(リップル・ネットワーク)、③ユニークで優れたXRPの技術、④流動性の課題等について語った。

Ripple 社CTO ステファン・トーマス氏

e-mailや携帯電話の「情報」のように、「お金」を送れるか?

トーマス氏は、「情報は、携帯電話の番号やE-mailのアドレスが分かればすぐに送れるが、銀行のお金はそうはいかない。しかし、アマゾンなどでは、お客様はインターネット世代だから、物を送るのも送金も透明性と迅速さが求められる」とした上で、「例えば、株式や先物取引は、インターネット取引を導入したことで、過去15年で取引コストはゼロに近くなった。その結果、取引そのものも、人間ではなく、アルゴリズムなどシステムが行い、取引量も増加している。仮想通貨も決済コストが下がれば、同様の現象が起きるかもしれない」と言う。そして、Ripple 社に入った時、最初に見たのは、それまで「こうなれば良いのに」と自身が考えていた「Wish List(希望リスト)そのものだった」と語る。

「例えば、ビットコインのコミュニティでは、マイニングに年間4億ドルも使っていた」とトーマス氏。マイニングに消費する電力量も年間500メガワット。ビットコインはまさに、そうしたマイニングパワーで経済力を保っているが、同時に通貨発行で得る利益がそこで無駄に使われてもいると、語る。

しかし、Rippleでは、そのマイニングを必要とせず、通貨発行で得る利益は、例えば規制当局が仮想通貨に対する理解を深めるための教育や、安全性を高めるための技術開発など、マイニングとは別の分野に使っている。「そのため、Ripple は、マイニング会社には売り込めないが、しかし、手数料はビットコインの10分の1で済み、その取引時間も通常で4秒しかかからない。しかも、取引量も、ビットコインが1秒3~4件なのに対して、Rippleは1秒間で1000件処理できる」ともいう。

一方で、銀行についても、「現在、銀行は決済などのビジネスのために、自己資金を常時寝かしていなければならない。その総額は全世界で27兆ドルにも上る。これが私には無駄に見える」と指摘。「デジタルマネーは、リアルタイムに世界を移動できる。現金を保有する代わりに、XRPを利用して資金移動ができれば、大きな変革が期待できる。そして、すでにRipple ネットワークに参加している銀行は、XRPを使うことでコストを3分の1にまで落としている。将来はもっとコストダウンができるだろう」。

トーマス氏は、速度やコストだけでなく、XRPには「安定性もある」と言う。

「今、支払いについては、スピードだけなら10分以内でもビットコインも保証できるだろう。しかし、決済の安全性を保障するのは誰にとっても難しい。昨年、Ripple では、グローバルな銀行と共同で、XRPを使った決済の実証実験を行った。私のチームの決済保証時間は10秒で、システムのダウンタイムはゼロだった。ただし、ソフトは50%に過ぎない。残り50%はサーバーだ。ビットコインならマイニングプールとなる。つまり、出来るマイニングオペレーションでコストを削減している。これに対して、RippleのValidator(バリエーター:検証会社)は、ユーザーに選ばれる。日本でのRippleのサーバー、検証会社は最新のサーバーとシステムを持つ@Tokyoだ。

Ripple社はXRPの流動性拡大のために交換業者をサポート

そして今年、RippleにはXRPを使った新しいニュースもあると、トーマス氏。

「XRPがもっと短時間で更新できれば、信頼性もセキュリティーももっと高まるだろう。そのためには流動性が必要で、Ripple は4億ドルに上る通貨発行利益(シノレッジ)を有効なものに使っていく。XRPを使って、高い流動性と安定性を提供できる人たちに、インセンティブ(成功報酬)として出すことだ」。

講演後、トーマス氏には数多くの質問が投げかけられた。
幾つか紹介しておくと、

Q.「バリエーターをユーザーが選ぶとは?」
A.「コンセンサス(合意)を集めるということで、ボランティアで行います。バリエーターもネットワークにおける合意があって、初めて選ばれることになります。ビットコインは、どの会社が効果的なのか、どこにいるのか、安全かを知ることが出来ませんでした。Rippleでは、それが分かります。ただ、コンセンサスは深い話なので、もっと長く話せる時にご説明します

Q.「ビットコインのマイニングプールは世界中にあるが、Rippleのバリエーターは、どこに、どれだけいるのか?」
A.「全世界に50社あります。それも世界に分散しています。ただ、まだ新しく、ユーザーの信頼は十分ではありません。2018年終わりには、ほぼ全世界に分散される形で置かれると思います。取引所(交換業者)の方々には、積極的にXRPを扱って欲しいと考えています」

Q.「取引所にとって、XRPの魅力は何か?」
A.「皆が成長し、取引量を増やしたいと思っているはずです。XRPを使う理由は3つ。①ビットコインを使っている人々がXRPを使えば、決済時間が短くなり、リスクも軽減します。
②スプレッドがタイトになり、ボリュームも増えます。
③長期的に、銀行はXRPを決済に使えるようになり、その時には、もっと大きなボリュームになります。仮想通貨の中で、ビットコインは主流になるだろうかと問われてきましたが、ビットコインの人々は、銀行と組むことを躊躇してきました。Rippleが今、それをやっています。取引所の方々には、今後のビジネスのためにも、是非XRPを利用していただきたいと思います。

講演を聞いて

福井氏の講演は、初心者にも分かりやすく、ついついメモを取りすぎてしまった。業者の方々にとっては多すぎる分量になってしまったかもしれない。一点だけ、今回の法改正後も、先物・CFDなどの証拠金取引がまだ「グレーゾーン」に位置されているのが心配である。

トーマス氏の講演は、記者自身もこれまでほとんど知らなかったXRPの話だった上に、技術的な言葉も多く、門外漢の記者には難解だった。しかし、氏がビットコインで満足できなかった部分を、Rippleで今、埋めつつあるという氏自身の満足感と自信は十分に伝わってきた。現在、業界3位、あるいは4位のRippleだが、機会があれば自分でも買ってみたい、そして今後はもっと注目していきたいと思わされた講演でもあった。

<益永 研>

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