FX・仮想通貨・先物の最新業界情報メディア

Menu

【株式会社サイバーウィザード】AIで運用成果はどう変わる?AI搭載FX取引ソフト開発会社にインタビュー前編


人工知能(AI)を利用したFX(外国為替証拠金取引)の取引ソフトがちょっとした話題になっている。相場を見ながら、AIがもっとも利益が大きくなるタイミングでエントリーとイグジットを繰り返す。そこには人間の感情がいっさい入らず、冷徹な取引が実行できるのが特徴だ。現在、出回っている主なAIのFX取引ソフトは3つ。

学びing 株式会社が開発した「巫(かんなぎ)」株式会社サイバーウィザードが開発した「FAIPS(ファイプス)」、そして、AlpacaDB Inc.が開発した「アルパカアルゴ」である。

今回取材に応じてくれたのは、「巫(かんなぎ)」を開発した学びing 株式会社と「FAIPS(ファイプス)」を開発した株式会社サイバーウィザードの2社。前編、後編の2回に分けて各社のインタビューを掲載していきます。

前編は「FAIPS(ファイプス)」を開発した株式会社サイバーウィザード

「FAIPS(ファイプス)」とは?

まず、サイバーウィザードが開発した「FAIPS」の運用実績を見ると、「ユーロ/円」の2016年12月から2017年4月までの運用実績は、表の通りである。

実施月 実績 勝率
2016年12月 35,040円 75.5%
2017年1月 22,720円 74.4%
2017年2月 33,760円 83.8%
2017年3月 54,140円 78.9%
2017年4月 7,420円 65.7%

 

取引単位は2万通貨、取引回数は、2月が1日0回から4回、他が1日0回から10回

同社の代表取締役である杉江健司氏によると、現在、「米ドル/円」用の「FAIPS」の開発を進めており、もう少しでリリースできる予定である。「ユーロ/円」に比べると、成績のほうは良いという。

「FAIPS」とは、人工知能と伝統的な確率的手法を組み合わせてつくられているFXトレード支援ソフト。現在、もっとも注目されている機械学習・AIの手法であるディープラーニング(深層学習)を活用し、ニューラルネットワークを用いてビッグデータから学習することによって規則を見出して、為替レートの予測を行っている。

杉江健司社長

「FAIPS」は、FXトレードのためにサイバーウィザードが独自に開発した手法によって、これら2つアプローチを高度に融合している点が最大の特徴だ。これにより高いパフォーマンスを得ることに成功した。

AIによって一瞬一瞬の相場の値動きをみて売買タイミングを判定。決済戦略も利確、損切り、撤退のそれぞれに対してテクニカル分析や、さまざまな戦略のバックテストを繰り返して、機械学習と統計解析を行い、よりパフォーマンスの高い戦略を採用している。ひとつの戦略だけではなく、状況によって複数の戦略から適したものが実行されるのが特徴だ。

だから、売りや買い、決済、損切りのポイントなど、一通りのシグナルを出す。そして、「FAIPS」はトレンド型ではなくて、強いのはレンジ相場なので、基本的には逆張りの手法となるが、レンジにあわせた順張りのシグナルもある。

ただ、現実の相場はレンジが7割とか8割とかいわれているほど、レンジ相場が多いので、必然的に「FAIPS」でメインとなっているのは逆張りである。つまり、レンジ相場で下落トレンドで底を打った時点から少し上昇したところで、「FAIPS」は上昇トレンドになるだろうと予測をして「買い」のシグナルを出す。一方、天井まで上がった時点で少し反転してから、「FAIPS」は下落トレンドを予測して「売り」のシグナルを出す。

ただ、どれだけのpips数を取れるかを予測するのは凄く難しいので、デイトレードの短いスパンなので、最低限で5pips取れるかどうかを判定して、シグナルを出す。それは人工知能で学習した結果、そういうシグナルを出すというのだ。

人工知能が学習をして、判断をする元になったのは、過去の相場のデータなのだが、難しいのはどんなデータを学習させるかである。杉江社長はこう言う。

「ディープラーニングはある程度、データを加工して学習できるかたちにして入れなければならない。精度を上げるためにはどういうデータ構成にするかがディープラーニングの場合は重要です。とくに、相場の予測ではビッグデータからの学習量を単純に増やしただけでは精度は上がらない。ディープラーニングの出力の使い方や機械学習以外の手法も含めていろいろ工夫して試行錯誤しなければいけない」

ただ、人工知能の学びの主役を務めるディープラーニングの問題のひとつは、学ばせるデータは人間が入れるものだから、どんなデータを学ばせたかはわかるが、問題はその先で、ディープラーニングを利用したシステムがどのような特徴を学習して、どのように結果を導き出せているのかはわからないということである。

だから、ディープラーニングが「ブラックボックス」と呼ばれているのは、ニューラルネットの重み付けを表す数字しかないため、何を学習したのか、判断の処理過程が人間にはみえないからである。学ばせる膨大なデータから特徴をとらえて学習しているはずだが、どんな特徴をとらえているかはわからない。ブラックボックスであるため予測しない結果が出ることがある。

「FAIPS」の開発にかかった時間は、AIを使わない期間を含めると8年。そして、どんな人が利用しているかと言えば、ふつうのサラリーマンが多い。ほかには、専業の人か、時間に余裕のある若年層が利用している。

FAIPSの全体画面

 

シグナル表示画面

為替レートを監視し、売買に適したタイミングでシグナルをポップアップ表示(現状では勝率を優先してシグナルの発生頻度は少なめに調整されている。今後のバージョンアップによっては変わる可能性はある)。

 

「FAIPS」の製品情報、利用環境等の詳細はこちら

NEXT :5月5日金曜日 更新予定
「巫(かんなぎ)」を開発した学びing 株式会社編

<辻 秀雄>