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ドッド・フランク法見直し大統領令で、米国大手金融株が急騰


ドナルド・トランプ大統領が2月3日、ドッド・フランク法の緩和を含めた銀行規制緩和姿勢を明らかにした。

これを受けて、ダウ工業平均株価は前日に比べ186.55ドル高の20,071.46ドルとなった。中でも金融株の急騰が目立ち、トランプ大統領の側近にOBを揃えたゴールドマン・サックスは終値で240.95ドル(前日比4.6%高)、平均株価変動への寄与金額は、+71.50ドルとなった。JPモルガン・チェース銀行も同3.1%高、寄与金額は+17.57ドルに上った(出典:マーケットエッジ株式会社「2017年02月06日Marketedge Stock Daily Report)。

トランプ大統領は選挙期間中から銀行規制の見直しを唱えており、当選以来、米国の大手銀行株価は上昇傾向を強めてきたが、オバマ前大統領が署名したドッド・フランク法を期待通り、見直すことが明らかになったため、この日は金融株が軒並み上昇した。

英国フィナンシャル・タイムズ紙(以下FT紙)によれば、大統領は、銀行を締め付けてきたドッド・フランク法から多くを削り、例えば消費者金融保護局といった新たな体制を作りたいと語った。大統領の報道官はこの日、ドッド・フランク法が求めたものは、「ひどい」ものだったとも語った。

FT紙によれば、金曜日に出された大統領命令は、ドッド・フランク法廃止ではなく、今後の運営管理の見直しを示唆するもので、それはまた金融規制の「原則」を整理し直すトランプの今後の一連の作業の一つであるとも見られている。

この改革はしかし、まだまだ前途多難ではあるようだ。

まず、法律改正は、大統領権限だけでは決定できず、今後は議会によるより詳細な分析と承認とが必要となる。トランプ氏は「米国の企業と海外のライバル企業との競争を妨げず、しかも、規制による影響をより厳しく分析する必要がある」とも指摘しているが、ヨーロッパにおける同様の規制は今後も続き、それとの整合性も考える必要がある。

また、銀行の自己資産による投機を禁じた米国の金融規制は現在、5つの規制当局が関わっており、この5つの当局がすべて、規制の見直しに同意するかどうか不明であり、しかもすり合わせには時間がかかるとも見られている。

金融関係のコメントの中には、仮に規制が廃止されても、当局が変わらない限り、それほど大きな変化もないだろうといったコメントも見られた。

例えば、金融機関にとって米国最大の「お目付け役」である米連邦準備局は、今年度の銀行への検査スケジュールをすでに決定しており、「ストレステスト」と呼ばれるその厳しい検査内容は当面、変わらない。

一方で、ドッド・フランク法の影響を示す数字として、米国の大手6銀行だけで、過去6年間、ドッド・フランク法違反による罰金の支払いが1400億ドルに上っていることも、今回改めて紹介された。

規制緩和を期待する声は大きく、それが、今回の金融株高騰につながってもいるのだが、大手金融機関のマーケットへの完全復活の見通しはまだ立たない。