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【取材レポート】 インドネシア共和国のバリ島のリゾート地で使える暗号通貨「BALI」の発行を目指す、アヤナスシグレ代表取締役社長・川本栄介氏に直撃インタビュー

以前、「エムトレ」で、仮想通貨・ブロックチェーンによるトークン・エコノミー企画・設計のコンサルティング業務を手がけるアヤナスシグレは、インドネシア共和国バリ島のリゾート地で使える仮想通貨「BALI」の発行主体である、 PT.AyanasuCryptoCurrencyBaliと、トークンエコノミーやトークンが使えるリゾート地に関する企画・設計について、業務提携を行ったと報じたが、今回、アヤナスシグレ代表取締役社長の川本栄介氏に話を聞く機会を得ることができた。
川本栄介氏

暗号通貨「BALI」とは何か?
その前に、暗号通貨「「BALI」について、説明をしておこう。
インドネシア・バリ島は、人口450万人を超える500万人の外国人観光客が毎年訪れる世界の一大リゾート地である。バリ島の長年の課題は、経済活動が外資依存のため、観光業による恩恵が地元まで等しく得られていない点であった。そこで、「BALI」の発行主体であるPT.ACCBは、インドネシア共和国バリ州のバリ島でのリゾート地(Badung地方)を中心に、域内での決済などへ使える仮想通貨を発行することにした。

すでに、バリ島Badung王Ida Cokorda Pemecutan XI陛下とその王族、バリ州デンパサール市町村長からの支援が決定している。

その第一段階として、PT.ACCBが所有する地上建設権に基づき、建設されるリゾートホテル等のファシリティ施設内で、「BALI」を使用できるようにトークンを設計する。

今後は、インドネシア通貨「ルピア」と仮想通貨「BALI」は、玄関口であるデンパサール空港や島内の両替所、バリ島内の村の銀行などで、いつでも簡単に交換できるようにすれば、流動性もあがる。

仮想通貨「BALI」は、主に施設利用の支払い、施設内の労働や広告・宣伝活動に対する報酬の支払いなど、決済手段として使用する予定だ。これらの活動をスマートコントラクト化し、「BALI」トークンの経済圏に組み込むことで、すべてのステークホルダーが正当な報酬を受け取れるように変えていく。

また、適切なトークン・エコノミーをアヤナスが企画・設計することで、バリ島で経済活動するすべてのステークホルダーを巻き込み、新たな仮想通貨による経済圏を創り出す。

そんな壮大な構想を掲げる、川本栄介氏に話を聞いた。インタビューの場所は、東京・日本橋の丸善3階の喫茶室である。以下は、一問一答である。
ジンバラン西部のパダンパダンビーチ付近

社名は大和言葉にしたかった
――まず、社名の「アヤナスシグレ」とはどういう意味ですか?

川本 大和言葉の、美しい模様を意味する「綾なす」という社名にしたかったのですが、字画が短すぎて、悪いといわれたので、これも大和言葉の「時雨(しぐれ)」をくっつけて、アヤナスシグレにしました。あとでインドネシアの人に聞いたら、「あやな」というのはインドネシア語で花という意味で、スをつけると複数の花という意味だといわれました。

暗号通貨「BALI」発行のきっかけはマレーシアから
――ところで、バリ島で暗号通貨を発行されるということですが、どういったいきさつで、そのようなことになったのでしょうか?

川本 私の前職は、DMM.comグループでマイニングの責任者をしていました。2018年7月頃に、マレーシアのエネルギー関連の会社から、インドネシアのスマトラ島の炭鉱のとなりに火力発電所を建設して、その隣にマイニング・ファームを建設しないか、という話が舞い込んできました。

しかし、DMM.comグループとしてはそれはできないと断ったのですが、エネルギー関連業界のかたですから、インドネシア政府とも繋がりが強い。そこで、仮想通貨取引所とか、政府が抱えている課題をブロックチェーン技術で解決できる、という話を相手にしたわけです。それから、幻冬舎「新しい経済」で「ゼロからわかるトークン・エコノミー」の連載をしていたので、その記事をインドネシアのパートナーに見せたところ、「トークン・エコノミー」の主旨に共感してもらったので、インドネシア大統領をはじめ、政府関係者に対してロビー活動をしてもらったわけです。
ウルワツ南西部のヌングガランビーチ

川本 その際に、インドネシアは汚職がひどいし、外貨も稼ぎたい。米ドルに対してルピアが弱いなどの問題をブロックチェーンなら解決できるし、かつトークン・エコノミーという新しい仕組みで経済が発展していく、という話もパートナーからインドネシア政府関係者に伝えてもらいました。そこからさらに発展して、私は、インドネシア政府が認定している暗号通貨の協会のトップアドバイザーに就任することになり、ジャカルタでは、暗号通貨の協会を通じて、暗号通貨やブロックチェーンに関する政策提言を中央政府に対して行っています。

――それはDMM.comグループにおられたときにやられたことですか?
川本 ええ、2018年9月末でDMM.comグループを退社しましたので、その時は、有給休暇をとって、自腹でインドネシアまで出向いて、関係性をつくってきました。

インドネシア政府の高官と会談
――アヤナスシグレの設立はいつですか?

川本 2018年10月17日です。DMM.comグループを辞めてからは、インドネシアの大統領官邸で、インドネシア大統領の諮問委員会委員長のSri Adiningsihさんと話す機会がありました。そこで、日本や他の海外諸国のブロックチェーンや暗号通貨の事情を話して、インドネシアもしっかり市場を整備すれば、他の国に勝てる、という話をしたわけです。
インドネシア共和国大統領官邸にて大統領諮問委員会委員長のSri Adiningsih氏と会談

――それはどういうことですか?
川本 日本は市場が成熟してしまって、新しいことをやろうとなると、規制の壁を超えなければいけないし、いろいろな問題に直面せざるを得ません。海外では、香港やシンガポール、エストニア、マルタなどの暗号通貨先進国は、金融マーケットとしてみた場合は、小さすぎるし、限界がある。

ところが、インドネシアは人口は2億6000万人、平均年齢は29歳で、今後20年、30年は人口が増加していくし、成長のノビシロは大きい。しかし、インフラが整っていない。だから、インフラ問題をしっかり解決していけば、ASEAN諸国でリーダー的存在なわけですから、ブロックチェーン技術を活用して、トッププレイヤーに躍り出る可能性は大いにあります。ですから、政府主導で取引所や保証機関などの施設をつくっていけば、今後、ブロックチェーンや暗号通貨の本質を見据えた政府としての活動ができると、いう提案を行っている訳です。それが一つ。
スミニャックのクタビーチ

王さまの土地が「BALI」の裏づけに
川本
 もうひとつが、バリ島の暗号通貨「BALI」です。バリ島の課題は、年間550万人ほどの観光客がやってくるが、リゾート地のホテルのオーナーはほとんどが華僑が占めているので、観光客のお金が嶋に落ちないことと、ピンハネが横行していて,島人が働いても十分な報酬が得られないことです。

そうした課題をブロックチェーン技術や暗号通貨を使えば、解決するという、期待感をバリ島の人たちは感じています。そういうこともあって、「BALI」という仮想通貨がバリ島全域に広がっていくと、ルピアという米ドルに弱い通貨とは違って、バリ島だけの本当の価値をみんなが評価する通貨が生まれることに、皆さん、期待をされている。

「BALI」というトークンは、王様から土地の権利をもらえるので、その不動産が「Bali」発行の裏づけになっています。不動産の建設権が50年あるので、それを裏づけとして、皆さん、安心して「BALI」を使ってくださいと、いっている。

――「BALI」向けのブロックチェーンをつくるわけですね。
川本 そうです。新しいブロックチェーンなので、送金手数料もまったく気にするような額にはならない。そういう仕組みでつくってあるので、既存のブロックチェーンは使いにくい。

BALI」をどうやって広めるのか
――そうすると、暗号通貨「BALI」をバリ島中に広めていくわけですが、それはどういった方法で考えておられるのでしょうか。

川本 王さまからリゾート地のいい場所(16ヘクタール)を借りて、その土地の建設権の発行主体の会社を設立し、この土地をリゾートとして開発からやってみようというわけです。そしてまずここで「BALI」を使う。ですから、最初に「BALI」を買うのは観光客ですね。

――えっ、「BALI」はもう発行されているのですか。
川本 ええ、9月には発行しています。つくるのは難しくありません。

――「BALI」はどうやって入手できるのですか。
川本 これからですが、デンパサール空港に有人のカウンターを設けて、そこで、米ドルや円と「BALI」を交換できるようにします。あと、島内の観光地に交換所をおくとか、バリ島では村ごとに銀行を持っているので、その銀行にカウンターを設置してもらって、「BALI」とルピアをいつでも交換できるようにします。さらに、店舗に端末をおいてもらって、それで決済として使ってもらう。
ヌサドゥア東部に位置するタマンサリビーチ付近

BALI」を投機マネーにしたくない
――「BALI」の価格はどういうふうになるのでしょうか。

川本 ボラティリティをつくりたくないので、完全にステーブルコインにしようと思っています。今のところ、1BALI=1米ドルか、100円の計算にしています。投機マネーにしたくないので、変なところに上場したくない。今回の「Bali」発行の目的は、売却益ではなくて、トークン・エコノミーの考え方でいくと、「BALI」というトークンが循環することによって、働く人や、いろんなステークホルダーが正当な報酬をもらうことを前提に考えています。

最初は「BALI」をもらっても、実生活で使えるところが広がっていないから、生活するためにはすぐにルピアに代えないと住民は不安になる。その点、住民の村の銀行で「BALI」とルピアが交換できる、というのは信用として大きい。

バリ島では、組織の最終単位は村です。日本だと家族ですが。ですから、村の結束力は強く、村長の権限は絶対で、村長が決めたことに村人全員が従う。先日、町村長会といって、村長や町長、お寺の住職が集まる会で、「BALI」のトークン・エコノミーの動画をつくり、インドネシア語のナレーションをつけて公開して、理解してもらったので、王さまも村長も了解しているので、村の銀行は「BALI」を受けつけるカウンターをつくってもいいということになっている。

しかも、トークン・エコノミーという考え方で、働き手もよりインセンティブをしっかりもらえるので、モチベーションもあがり、そうなるとお客さまへのもてなしの仕方も違ってきて、それをお互いが評価をするという経済、社会を、この16ヘクタールのなかでつくってみて、それを徐々に広げていく。

――そうすると完全にトークン・エコノミーの社会ができあがる?
川本 そうです。いってみれば、壮大な社会実験です。そこで私は、一方では「BALI」のことをやり、もう一方では、政府に対して法律面などの整備やガイドラインをつくるといったことを提言しているわけです。先日、大統領諮問委員会委員長のスリさんと話をした時に、インフラが整っていないだけで、通貨に関しての期待値は理解しているということでした。ステップバイステップでやっていくしかない、という合意はできています。

そして、次は金融サービス庁バンクオブインドネシアと話すよう、アドバイスをもらったので、彼らと話し合いの場を設けて、トークン・エコノミーについて理解を深めあっていきたい。

インタビューを終えて
 トークン・エコノミーについて語るときの、川本栄介さんの表情は、明るい喜びに満ちているようだった。「この人は本当にブロックチェーンや暗号通貨が好きなんだな、トークン・エコノミーでまったく新しい社会が到来することに生涯をかけているのだな」という思いが、ひしひしと伝わってきた。バリ島での事業は始まったばかりである。川本栄介さんの情熱や行動力があれば、きっとバリ島でのトークン・エコノミープロジェクトは上手くいくに違いない、そんな思いが後に残った、1時間のインタビューであった(インタビュー:辻秀雄)。

 

<辻 秀雄>

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