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【取材レポート】日本仮想通貨ビジネス協会「9月度勉強会」

2018年9月27日(木)17時から、東京・大手町の丸の内北口ビルディング16階のフクラシア丸の内オアゾのHALL Aで、日本仮想通貨ビジネス協会の2018年9月度の勉強会が開催された。

今回は2部構成で、第一部が「仮想通貨ベンチマーク研究会報告書について」と題して、KPMG有限責任あずさ監査法人の保木健治氏が講演した。第二部は、「仮想通貨交換業~自主規制の概要について」と題して、日本仮想通貨交換業協会事務局長の福井崇人氏が講演した。当初は一部と二部の順番が逆の予定だったが、自主規制のほうがあとからの講演となった。

KPMG有限責任あずさ監査法人の保木健治氏は、仮想通貨ベンチマーク研究会が2018年8月3日にまとめた報告書「仮想通貨ベンチマーク開発の論点~エコシステムの構築を目指して」の内容にそって話を展開した。

保木健治氏

仮想通貨市場の現状と今後

「個人的には、暗号通貨のポテンシャルは大きいと思う」と言いながら、現在の仮想通貨市場の動向については次のように、報告書は解説している、と説明した。
「現在の仮想通貨に係る市場・規制の動向に関するポイントは2つ考えられ、一つは、「法定通貨/ビットコイン」の交換から「ビットコイン/アルトコイン」の交換にシフトしていること。もうひとつは、制度整備の進捗に伴って税・会計処理に使用する市場価格にニーズの高まりである」

仮想通貨市場の現状については、仮想通貨は、現在も新しく生み出されており、正確な数を把握することは難しいものの、Coin Market Capによると、1600 種類の仮想通貨が確認されている。しかし、幅広く取引されている仮想通貨は、上位の一握りの仮想通貨に限られている。時価総額の上位10 種類の仮想通貨の時価総額合計 24.2 兆円で、仮想通貨全体の時価総額の約 81%を占める。

ベンチマークの算出に用いる参照データを提供することが想定される仮想通貨交換所(交換所) については、取引量の多い交換所は、取り扱う仮想通貨の種類が豊富だが、「法定通貨/仮想通貨」の取引を取り扱っていない交換所も多い。特定の運営主体が存在しない DEX( Decentralized Exchange)と呼ばれる交換所が台頭してきている。

以下は、報告書から抜粋したものである。
アルトコイン以外にも資金調達目的の ICO トークンや資金調達目的以外のユーティリティトークンなど幅広い多様な仮想通貨・トークンが多数発行されていくことが見込まれる。
ICOトークンについては、より既存の金融商品に近い形でインターディーラー取引、ファンドの組成・販売、ETF の組成・上場およびデリバティブ取引など高度な仮想通貨に係る取引(金融取引)の台頭が見込まれる。取引の機関化である。

ベンチマークに対するニーズ

もっとも基本的なニーズは、法定通貨と仮想通貨交換レートである。アルトコインについては、リップルのような一部の仮想通貨を除いて、日本円との交換レートよりもビットコイン、テザーおよび米国ドルとの交換レートに対してベンチマークのニーズがあるようだ。
ICO トークンは、株式と同様、トークン単体での「時価」に対するニーズがあり、ICOトークン全体や代表的なICOトークンで構成されるバスケットの指数に対するニーズも増えていくだろう。
したがって、ベンチマーク運営機関は、共通の物差しとして広く認知され、利用されるよう、早急なベンチマークの投入と短期間で幅広い利用者に認知されることに重点を置いていくことが肝要である。

「金融取引」用のベンチマークは、「取引可能性」や「価格操作耐性」などの高度な頑健性の具備が求められる。また、利用者によって、求められる頑健性の水準が異なることも多い。 ベンチマーク運営機関は、「金融取引」用のベンチマークに求められる要件や専門性が高いこと、対象となる仮想通貨やトークンの種類や想定される利用者が限定的なので、ベンチマークの「品揃え」よりも、個々のニーズを踏まえたベンチマークの設計とニーズを満たす高品質の参照データ収集が重要である。

ベンチマーク算出上の論点

仮想通貨のベンチマークの開発には、想定される用途や利用者に合わせてベンチマークを設計しなければならない。想定される用途とは、「市況把握」「税・会計処理」店頭デリバティブ取引を含む「インターディーラー」取引、「ファンド」、上場投資信託である「ETF」( Exchange Traded Funds)、「上場デリバティブ」の 6 つに分類できる。6分類のベンチマークに関しては、「取引可能性」が求められるかといった共通要素を踏まえて、さらに大きく「市況把握」や「税・会計処理」用のベンチマークと、「インターディーラー」「ファンド」「ETF」「上場デリバティブ」など「金融取引」用のベンチマークの二つに分けられる。

「金融取引」用のベンチマークの算出に使用する参照データを提供する交換所は、「市況把握」や「税・会計処理」に用いるベンチマークの算出に使用する参照データを提供する交換所と比較して、より厳格な選定基準をクリアしなければならない。
インターディーラーのような相対取引ではなく、上場デリバティブのような幅広い顧客に使われる「金融取引」用のベンチマークの場合、参照取引所、参照データおよび算出方法が一定の水準を満たしているということを対外的に訴求する目的から、IOSCO 金融指標に関する原則に準拠していることを表明することもある。

ベンチマーク運営機関は、「取引可能性」が求められる「金融取引」用のベンチマークは、利用されるほど現物取引が参照交換所に流れるという特性も踏まえながら、参照交換所から参照データの提供を受けるための適切なインセンティブ設計を構築しなければならない。
「金融取引」用のベンチマークに使用する参照データについては、ベンチマークとしての客観性を確保する観点から、交換所自身が取引相手となる販売所のデータは、ベンチマークの算出から除外したほうがよい。同一交換所の現物取引と証拠金取引等が異なるオークション板でマッチングされている場合の証拠金取引等の参照データは、現物価格を優先し、ベンチマークの算出から除外したほうがよい。

など、報告書にもられた内容を解説して、第一部の講演は終了した。
仮想通貨ベンチマーク研究会報告書はこちらを参照のこと。

第二部は、すでに金融庁へも提出してある、日本仮想通貨交換業協会が独自に策定した業界の自主規制について、協会の事務局長である福井崇人氏が登壇した。

福井崇人氏

自主規制を策定した狙いは、利用者保護と公益保護が究極の目的であり、業務の適正性や公正、適切な取引慣行を確保・醸成し、さらに、仮想通貨の不正利用を抑止し、利用者や社会との共生を図り、仮想通貨交換業の健全な発展を目指すためである。

では、自主規制の課題にはどんなものがあるのか。それは以下のようなものが考えられる。
「市場の急拡大への対応」や「金融業者としての意識改善及びガバナンス強化」「不適切な営業方法の是正」「リスク管理態勢の強化」「サイバー攻撃等の外部脅威への対応」「アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策」「デリバティブ取引やICOなどの新たな取引類型」などに対する対処などである。

金融商品取引法などの他業態の金融規制法も参考にしながら、仮想通貨特有のリスクを踏まえつつ自主規制規則を策定。今後、会員に対して自主規制規則の遵守を促し、社会情勢の変化や法改正、技術革新の動向を踏まえ、柔軟な運用や規則改正等の措置を臨機応変に実施し、自主規制が確実に業界で遂行できるようにする。
資金決済法や犯罪収益移転防止法、事務ガイドラインなど、既存の規制に係る自主ルールを策定し、さらに、現状の仮想通貨交換業務の実態上、利用者保護の観点から必要と考えられる事項について、金商法や金商業に関する自主規制規則などを参考に策定した。

自主規制の項目は以下の通りである。

総則
①仮想通貨関連取引に係る基本規則
各種規程
②仮想通貨の取扱いに関する規則 ・ガイドライン
③利用者財産の管理に関する規則・ガイドライン
④システム関連規則
・情報の安全管理に関する規則 ・ガイドライン
・システムリスク管理に関する規則 ・ガイドライン
・緊急時対応に関する規則 ・ガイドライン
⑤AML/CFT関連規則
・ AML/CFTに関する規則・ガイドライン
・反社会的勢力との関係遮断に関する規則
⑥苦情処理及び紛争解決に関する規則 ・細則
⑦営業行為関連規則
・勧誘及び広告等に関する規則 ・ガイドライン
・利用者の管理及び説明に関する規則 ・ガイドライン
⑧取引業務関連規則
・受注管理体制の整備に関する規則 ・ガイドライン
・不適正取引の防止のための取引審査体制の整備に関する
規則・ガイドライン
・仮想通貨関係情報の管理体制の整備に関する規則・ガイドライン
⑨証拠金取引に関する規則 ・ガイドライン
⑩財務管理関連
・財務管理に関する規則
⑪経営倫理・処分関連規則
・会員における倫理コードの保有及び遵守に関する規則
・従業員等の服務に関する規則 ・ガイドライン
・会員に対する処分等に係る手続に関する規則・考え方
・不服審査会規則
・会員調査に関する規則
⑫ICOの取扱いに関する規則・ガイドライン
福井氏は、これらの項目一つひとつについて丁寧に説明を加え、第二部の講演を終了した。
自主規制に関してはこちらを参照のこと。

<辻 秀雄>

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