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【取材レポート】 日本仮想通貨ビジネス協会「12月度勉強会」に潜入取材

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2018年12月21日(金)17時から、東京駅北口にほど近い、丸の内北口ビル16階のフクラシア丸の内オアゾHall Aで、2018年度の最後の、日本仮想通貨ビジネス協会の「12月度勉強会」が開催された。勉強会は第一部と第二部にわかれていて、第一部が、財務省国際局調査課為替実査室室長である日向俊一氏による「外国為替検査を巡る最近の動向について」、第二部は、FFRI代表取締役社長の鵜飼裕司氏による「混沌とするサイバーセキュリティ対策の現状と対策の本質」について、それぞれ講演が行われた。

財務省の為替実査室というのは、外為法(外国為替及び外国貿易法)と犯罪収益移転防止法に則って検査を行う部署で、日向俊一氏はその部門の代表者である。日向氏は、外為法に関して、実際に国内で行われているのは、経済制裁と資産凍結で、現在、その対象となっているのは、北朝鮮だけであると、指摘した。さらに、国際送金や受領も外為法の管轄に入るので、外為法で仮想通貨を土のように取り扱うかについては、次のような条文を提示して、説明した。
日向俊一氏

まず、仮想通貨の国際的な議論については、2018年3月に行われたG20財務大臣・国際銀行総裁会議での結論を次のように紹介した。ここでは、仮想通貨という表現ではなく、「暗号資産」という表現を用いている。

それによると、「暗号資産は実際、消費者は投資家保護、史上の健全性、脱税、マネーロンダリング、ならびにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産はある時点で、金融安定に影響を及ぼす可能性がある。暗合資産に適用されるかたちでのFATF(金融活動作業部会)基準の実施にコミットし、FATFによるこれらの基準の見直しに期待し、FATFに対して世界的な実施を要請する。国際設定基準主体がそれぞれのマンデートにしたがって、暗号資産及びそれらのリスクの監視を続け、多国間での必要な対応について評価することを要請する」と指摘した。

また、2018年10月に開かれたFATFの全体会合では、次のような結論がでた。
「FATFは、勧告15を改正し、『仮想資産サービス提供業者』が、AML(アンチ・マネーロンダリング)/CFT(テロ資金供与対策)で規制され、関連するFATF勧告を遵守するようモニタリングされることを規定。関連するFATF勧告の範囲等の詳細は今後議論」

そして、外為法上の仮想通貨の取扱いについては、次のように述べた。
「仮想通貨に関する取引であっても、日本と外国の間、居住者と非居住者との間で、債権債務の消滅や財産的価値の移転を行い、その対価として仮想通貨で支払いをする場合、または、支払いの受領をする場合は、日本円や米ドルなどの法定通貨を用いた支払いまたは支払いの受領と同様に、外為法上の『支払い』に該当する。経済制裁に係わる支払いまたは支払いの受領が仮想通貨で行われる場合も、外為法の許可が必要である。仮想通貨により3000万円相当額を超える支払いまたは支払いの受領をした場合には、財務大臣への報告が必要と、外為法では定めています」

日向氏はつぎに、外国為替検査ガイドラインの説明にうつった。従来は、マニュアルという表現だったが、グレードアップして、ガイドラインと表現することになった。外為検査マニュアルと、外為検査ガイドラインでもっとも異なるのは、RBAの枠組みに移行し、オフサイトモニタリングの導入、関係当局との連携を強化した点にある。したがって、検査内容も、マニュアルの時に比べるとかなり厳しく規定されている。

仮想通貨に関係することでいえば、国際送金と受領の分野だが、それらについては、次のように定めている。ここは図で示しておきたい。

つまり、取引や預金や送金、両替など、為替や貿易に関する業務について、確認義務や届け出義務が強く求められており、内部体制もリスクをしっかり監理する態勢が求められている、ということである。

日向氏は、外国為替検査ガイドラインを一通り説明した後、FATFについて、解説した。

正式名称を「金融活動作業部会(FATF:Financial Action Task Force)」といい、1989年のG7アルシュ・サミット経済宣言を受け、マネロン・テロ資金対策の国際基準(FATF勧告)を策定し、その履行状況について相互審査を行う多国間の枠組みとして設立されたものである。

活動と影響については、第3次審査では法律策定とその履行状況の確認について加盟国間で相互審査を実施する。日本は8年かけて2016年末に第3次審査を終了。今後の第4次審査では、法整備を前提として、法制度がどのように運用され、効果を上げているかが主な評価対象となる。審査結果が芳しくない場合、国際社会での信用低下のみならず、欧米金融当局による監視が強化され、海外金融機関との取引謝絶や契約解除、顧客の海外送金不能・遅延等により、国内金融機関の活動に支障を生じるおそれがあり、こうした事態を経済界・金融界が懸念している。

「FATF」加盟国は次の通りである。
アイスランド、アイルランド、アルゼンチン、イタリア、インド、英国、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、豪州、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ブラジル、フランス、米国、ベルギー、ポルトガル、香港、マレーシア、南アフリカ、メキシコ、ルクセンブルグ、ロシア、欧州委員会(EC)、湾岸協力理事会(GCC)加盟国。G7を含む35カ国・地域と2地域機関が加盟しており、その他9つのFATF型地域体を加えると、FATF勧告は、世界190以上の国・地域に適用されている。

そのFATFの審査が2019年、日本企業や団体冬に対して実施される。日本は第3回目の点数がよくなかったので、第4回目となる2019年の対日審査では、及第点を狙っている、という。

FATF勧告に対応する国内法は多くあるが、金融機関等事業者にもっとも関連が深いのは、顧客管理を義務づけている犯罪収益移転防止法である。2018年2月、金融庁が「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン 」を公表した。このガイドラインは、リスクベース・アプローチを金融機関のミニマム・スタンダードとしており、これはFATF勧告履行のために必須である。

以上のことを説明して、日向氏の講演は終了した。

次に登壇したのは、FFRI代表取締役社長の鵜飼裕司氏である。テーマは、「混沌とするサイバーセキュリティ対策の現状と対策の本質」についてだ。鵜飼氏は、日本のセキュリティ分野のスペシャリストで、第一人者といってよい。
鵜飼裕司氏

開口一番、鵜飼氏は、日本のコンピュータやネットワーク業界を巡るセキュリティについて、次のように指摘した。
「サイバー攻撃は複雑化の一途を辿り、その被害も深刻化。対策の重要性はその認識も広がり、以前よりも対策は進みつつある。ただし、近年のサイバー攻撃の被害は非常に大きい。 サイバーセキュリティを取り巻く外部環境が大きく変化する一方で、ICTはサイバーセキュリティを含めて激動の時代に。サイバーセキュリティ対策の実際は「非常に混沌と」している状況。ユーザー企業における本質的な対策が非常に困難な状況になっている。そこで、本質的な課題を明らかにした上で、本来あるべき対策の進め方について議論うぃしていかなければならない」

そして、最近のサイバーセキュリティ事件の一覧を示してから、日本年金機構がサイバーアタックを受けたときの様子を解説した。さらに、ランサムウェアについて、次のように解説する。ランサムウェアの悪質なところは、コンピュータネットワークに侵入し、ファイルを暗号化し、その暗号をといてほしければ、身代金を要求するというものだ。ファイルを勝手に暗号化されてしまったら、もう判読はできず、使いものにはならない。まさに悪質の極みだといっていい。

「Torネットワーク上に存在するランサムウェアの無償作成サービスというものがあります。ビットコインのアドレスや身代金の金額を入力するだけでランサムウェアを作成してもらえるので、このサービスの利用者は、生成されたランサムウェアをさまざまな方法でばら撒き、被害者から身代金をビットコインで徴収するというものだ。サービス提供者は、サービス利用者から身代金収入の20~30%を徴収する。そして、サービス利用者に対して、Chat等でのサポートサービスも提供しています」

次に、サイバーセキュリティのトレンド変化を説明し、サイバーセキュリティ産業の変遷について、次のように述べた。
「インターネットが普及する前、だから20年前はサイバーセキュリティ「市場」は皆無でした。インターネットが急速に普及して、社会システムが激変したことで、サイバー攻撃も爆発的増加し。攻撃の質も激変しました。アンダーグラウンド市場は急速に拡大し。安全保障上の課題にもなってきています。AIやビッグデータ、モバイル、ブロックチェーン、IoTといった新たなテクノロジーの出現で、サイバーセキュリティ対策はその範囲が急拡大しています。また、それゆえ、対策の複雑化や攻撃者の組織力や技術力の高度化しているので、サイバーセキュリティ対策はより複雑化しています。このように、複雑化したサイバーセキュリティ対策を担う産業は、さまざまな対策技術をソリューション化し、対策ソリューションやベンダーが大量発生しました。しかし、確立した正解が社会に提示されていないので、サイバーセキュリティ産業は玉石混合状態にあるといっていいでしょう。もちろん、仮想通貨もサイバー攻撃の対象となっています」

では、最適なサイバーセキュリティ対策をとるにはどうしたらいいのか。鵜飼氏は次のようなポイントを指摘する。
1.実質基準化されているガイドラインの遵守等、クリアすべき課題はクリアすること。
2.重要なポイントは、自社の事業におけるICT利活用の状況と今後のICT戦略をベースにして、まずは適切なサイバーセキュリティ戦略を作ること。
3.技術的、組織的なサイバーセキュリティ対策の現状を的確に把握すること。
4.「外部環境の変化」を可能な限り予測すること。
5.サイバーセキュリティの特殊性→攻撃サイドの環境変化を掴むこと。
6.攻撃動向等も変化は早いので、注意深く監視すること。
7.戦略は情報によって決まる。攻撃動向の変化については専門家の助言を仰ぐこと。
8.戦略に則った計画をつくり、実行すること。
9.自社のICTに関する戦略や外部環境変化があれば適宜見直すこと。

そして、鵜飼氏は、東京電機大学の相原遼氏と、佐々木良一教授が標的型攻撃対策案を示した。

最後に、鵜飼氏はまとめとして、次の点を示し、講演を終了した。

・サイバーセキュリティを取り巻く外部環境が大きく変化。ICTはサイバーセキュリティを含めて激動の時代になる。
・サイバーセキュリティのリスクコントロールが経営のリスクコントロールに直結している。
・サイバーセキュリティ対策を考える上で、ビジネスイネイブラーとしての原理原則が重要。
・セキュリティ原理主義の蔓延は、サイバーセキュリティ対策の思考停止を招く。
・ガイドラインや基準は重要だが、現実的かつ環境や事業に応じた適切な対策を促すべきである。
・事業におけるICT利活用の状況と今後のICT戦略をベースにして適切なサイバーセキュリティ戦略をつくること。
・投資対効果の最大化が重要で、工学的なアプローチも参考にしつつ、本質を見極めて最適化を図ること。

勉強会の最後を締めたのは、日本仮想通貨ビジネス協会会長の奥山泰全氏。2018年は、コインチェックZaireから仮想通貨不正流出事件、それを受けて、金融庁から業務改善命令が出され、仮想通貨の価格は2017年末の最高値から、暴落、低迷を続けている現状を見据えて、奥山会長はつぎのように述べた。
奥山泰全氏

「仮想通貨業界は信頼を回復し投資家が安心、安全に取引ができる業界と生まれ変わります。仮想通貨業界は、日本経済や日本の産業、社会を牽引する原動力になると確信して、2018年を締めくくりたいと思います」

その後、参加者の有志は連れだって、忘年会の会場へ足早に去っていった。

 

 

 

 

 

<辻 秀雄>

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