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【国家公安委員会】「犯罪収益移転危険度調査書」で仮想通貨の危険性を指摘


国家公安委員会は、犯罪に利用されやすい収益移転についての調査報告書を発表した。この調査の目的と背景について、調査書では以下のように記している。

危険度調査の背景

IT 技術の進歩や経済・金融サービスのグローバル化が進む現代社会において、マネー・ロンダリング(Money Laundering:資金洗浄)及びテロ資金供与(以下「マネー・ロンダリング等」という。)に関する情勢は絶えず変化しており、その対策を強力に推進していくためには、各国の協調によるグローバルな対応が求められる。

金融活動作業部会(FATF)は、平成24年(2012年)2月に改訂した新「40の勧告」において、各国に対し、「自国における資金洗浄及びテロ資金供与のリスクを特定、評価」すること等を要請している。また、25年(2013年)6月のロック・アーン・サミットにおいては、所有・支配構造が不透明な法人等がマネー・ロンダリングや租税回避のために利用されている現状を踏まえ、各国が「リスク評価を実施し、自国の資金洗浄・テロ資金供与対策を取り巻くリスクに見合った措置を講じる」こと等が盛り込まれたG8行動計画原則の合意がなされた。

我が国では、同月、FATF の新「40の勧告」及びG8行動計画原則を踏まえ、警察庁を中心に金融庁等の関係省庁を加えた作業チームを設けて取引における犯罪による収益の移転の危険性の程度(以下「危険度」という。)の評価を行い、26年12月、警察庁が「犯罪による収益の移転の危険性の程度に関する評価書」を公表した。

危険度調査の目的

本調査書は、平成26年12月に公表した「犯罪による収益の移転の危険性の程度に関する評価書」の内容も踏まえ、26年の犯罪収益移転防止法の改正により新設された同法第3条第3項の規定に基づき、事業者が行う取引の種別ごとに、危険度等を記載したものである。

また、FATF 勧告1が、各国に対し、「自国における資金洗浄及びテロ資金供与のリスクを特定及び評価すること」を要請するとともに、同勧告の解釈ノートにおいて、事業者に対し、「自らが取り扱う商品・サービス等の資金洗浄及びテロ資金供与のリスクを特定、評価するための適切な手段をとること」として、事業者自らがリスクベース・アプローチを実施することを要請していることも踏まえ、28年10月1日には、特定事業者に対し、本調査書の内容を勘案しつつ、疑わしい取引の届出に関する判断の方法、取引時確認等を的確に行うための措置を講ずる努力義務等について定めることなどを内容とする改正犯罪収益移転防止法、施行令及び規則が施行されたところである。

特定事業者においては、上記の法令改正等を踏まえた適切な取組を実施し、取り扱う取引が犯罪による収益の移転に悪用されることを効果的に防止することが求められる。

危険度調査報告書では、仮想通貨について独立した項目を立て、仮想通貨の現状と犯罪に巻き込まれた例、さらに、危険度について、以下のように記している。

仮想通貨交換業者が取り扱う仮想通貨

現状

ビットコイン等の仮想通貨は、物品を購入する場合等に、その代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器等に電子的方法により記録されているものに限り、通貨及び通貨建資産を除く。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるものとされている。

仮想通貨交換業を行うためには、資金決済法に基づく内閣総理大臣の登録を受ける必要があるところ、平成29年10月1日現在、当該登録を受けている者の数は11である。仮想通貨は、インターネットを通じて電子的に取引が行われるなどの特徴を有しており、実際、違法薬物の取引や児童ポルノのダウンロードに必要な専用ポイントの支払いに仮想通貨が用いられていた事例がある。

FATF は、平成27年(2015年)6月に、仮想通貨に関するガイダンスを策定し、仮想通貨の利用者の匿名性が高いこと、仮想通貨の移転が国際的な広がりを持ち、迅速に行われること等を指摘するとともに、各国に対して、仮想通貨と法定通貨の交換業者に対してマネー・ローンダリング等対策に係る規制を課すことを求めている。

危険度の低下に資する措置として、犯罪収益移転防止法は、仮想通貨交換業者に対して、仮想通貨の交換を継続的に又は反復して行うこと等を内容とする契約の締結(ウォレット開設契約の締結)、200万円を超える仮想通貨の交換、10万円を超える顧客等の仮想通貨を当該顧客等の依頼に基づいて移転させる行為等に際しての取引時確認の義務及び確認記録・取引記録等の作成・保存義務を課している。

また、取引時確認の結果、当該取引の態様その他の事情に加え、本調査書の内容を勘案し、かつ、通常行う特定業務に係る取引の態様との比較等を行って、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑い又は顧客等が犯罪収益等隠匿罪等に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合における疑わしい取引の届出義務を課している。

さらに、他人になりすまして仮想通貨交換業者との間における仮想通貨交換契約に係る役務の提供を受けること等を目的として、当該役務の提供を受けるために必要な ID、パスワード等の提供を受けること等を禁止している。

同法に基づく監督上の措置に加えて、資金決済法においては、仮想通貨交換業者による報告書の提出義務や、必要に応じて行政機関が仮想通貨交換業者に対して立入検査、業務改善命令等を行うことができることが規定されているほか、仮想通貨交換業者の登録拒否事由、取消し事由として、「仮想通貨交換業を適切かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人」が掲げられている。

また、金融庁の事務ガイドラインにおいては、犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認等の措置に関する内部管理体制の構築に当たっての留意点も示され、これらは登録申請時の「仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行するための体制の整備」の要件に係る審査項目ともされているところであり、マネー・ローンダリング等防止のための行政機関による指導等が行われる体制がとられている。

疑わしい取引の届出

平成29年4月1日から10月1日までの間の仮想通貨交換業者による疑わしい取引の届出件数は、170件である。

事例

仮想通貨がマネー・ローンダリングに悪用された事例として、偽造の身分証明書を使い、仮想通貨交換所で架空名義のウォレットを開設した上で、不正に入手した他人名義のクレジットカードを使って仮想通貨を購入し、その後、同交換所で日本円に換金し、架空名義の口座に振り込ませた事例がある。

危険度

仮想通貨は、利用者の匿名性が高く、その移転が国際的な広がりを持ち、迅速に行われるという性質を有することや、仮想通貨に対する規制が各国において異なることなどから、犯罪に悪用された場合には、当該犯罪による収益の追跡が困難となる。また、実際、その匿名性を悪用し、不正に取得した仮想通貨を仮想通貨交換業者を介して換金し、架空名義の口座に振り込ませていた事例等があることも踏まえれば、仮想通貨は、犯罪による収益の移転に悪用される危険性があると認められる。

出典はこちら

<辻 秀雄>

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