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仮想通貨は権威主義への道かもしれない?


仮想通貨は権威主義への道

街のいたるところで、駐車場の料金メーターが消えている。運転者は中央の機械やアプリで駐車料金を支払っている。とても便利なので、時々、駐車料金を払うのを完全に忘れていて、あとで、高額の支払いで苦しむことがある。この前、駐車料金を払った時、私は自分の車が自分の駐車料金を自動的に支払うことがなぜできないのだろうかと思った。

それは技術的には可能である。私の車とスマートフォンの両方はGPS経由で私の位置を知っている。私の電話はすでにブルートゥース(Bluetooth)経由で私の車につながっている。スマホアプリは、駐車場に到着した時に駐車料金を支払うよう私に促すことができるはずである。

または、こんなことを想像してみよう。私の車はほとんどがすでにコンピュータである。別のコンピュータで管理されている駐車場から時間を借りることに同意をする。駐車場に入り、駐車スペースを占有ことで、この契約に「署名」する。その代わりに、私の車は、コンピュータのために選択された少額のビットコインを、駐車場の財布に転送する。

このプロセス全体をコンピュータで処理することによって、駐車料金の支払いを決して忘れることはないだろう。ただ、唯一、失敗するとしたら、私の車がビットコインを使い果たしているときである。その場合、駐車場には簡単な手助け手段がある。私の車のエンジンはコンピュータで管理されているので、駐車場は私の車の操作を停止することができる。

このようなシナリオは、ビットコインの商取引を認証するためにもともとは開発されたデジタル商取引記録装置であるブロックチェーンが、支払い以外の目的に慣れると可能である。特定のサークルでは、企業や国家のような仲介業者への依存が少ない新しいサービスの時代の先駆けとなる可能性があることから、ブロックチェーン技術は賞賛されている。しかし、その支援者たちは、しばしば、逆のことも同様に可能であることを見落としている。というのは、ブロックチェーンは、代わりに、企業や政府の集中力を一層強化することができるのだ。

著書『Radical Technologies』のなかで、都市デザイナーのAdam Greenfieldは、仮想通貨とブロックチェーンは、知的で有能な人が理解するのが基本的に難しい最初の技術だと分類している。私はこの本を読んだときに安心した。なぜなら、私は何年間も、仮想通貨は暗号解読を元にしたデジタルマネーだと理解しているようなふりをしていたからである。ビットコインは、ほとんどが外来文明の技術のようなので、把握・理解するのが難しい。それはもうひとつのプラットフォームやアプリではない。最初にそれを理解するには、ビットコインを刺激する政治的仮定を解読する必要がある。

ビットコインは、極端な技術的自由主義を表現したものである。これには多くの名前がついている。無政府主義・資本主義、(または略してアンキャップ)、自由主義的無政府、市場無政府主義などである。その哲学の中心にくるのは、個人主義に賛成する上での、国家の不信である。その支持者たちは、最上の社会は、個人資産の自由な取引に従事する個々の財産所有者――企業や政府ではないーーによって推進される自由市場経済のなかで、個人の意思や願望、希望を最も容易に、促進すると信じている。

出典 Atlantic

<辻 秀雄>