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【Tech in Asia】ICOの包括的な禁止が懸念をかき立てるため、中国のブロックチェーン産業は海外を視野にいれる


中国の仮想通貨投機筋には1週間の地獄を見た。中国政府が2017年9月4日(月曜日)にすべてのトークン・クラウドセール(「初期コイン・オファリング」またはICOとしても知られている。開発者が独自に発行したトークン〈コイン〉をビットコイン払いで売りに出し、開発費を捻出する、暗号通貨を使った新しいタイプのクラウドファンディング)の禁止を発表して以来、中国のブロックチェーン共同体は、慌ててその要求に応じている。

企業がIcoinfoIcoageのようなクラウドセール掲載しているICOプラットフォームは、サービスを停止している。国内取引所はICOからのトークンを停止し、投資家は撤退を余儀なくされている。北京でのビットコイン会議も新しい規制の影響を受けた。企業はこのイベントを延期し、香港に移した。

ビットコイン会議の主催者で、仮想通貨の新興企業であるBitKanは、電子メールで声明を発表した。

「サミット開会中はICO関連のコンテンツはないが、取り消されるリスクを減らすために、サミットの時間と場所を変更した」

中国では、さしあたり、ゴールドラッシュは終わった

ブロックチェーンの新興企業がクラウドセール介して投資家に独自のデジタル・トークンを発行するグローバルICO市場は、2017年、資本が爆発的に増加している。業界紙CoinDeskによると、世界中の企業がICOを介して合計17億米ドルを調達しているそうだ。ブロックチェーンの新興企業は、白紙のままで、時には1分間未満で、何百万ドルにも相当する仮想通貨を調達することができている。

しかし、中国では、さしあたり、ゴールドラッシュは終わっている。金融不安や詐欺、および障害を心配するあまり、中国政府はブレーキを踏んだ。新しいルールでは、新しいICOプロジェクトの立ち上げを禁止し、トークンの売却を完了しているものは、投資家に払い戻すことを要求している。

企業がどのようにしていつ顧客に払い戻しをするのかは不明である。 中国のICOに対する包括的禁止条項のあいまいさは、企業が次の動きの算定を困難にし、多くに安全第一でいくことを要求している。中国では最大の仮想通貨交換所のひとつであるBTCChinaは、ICOCOIN(ICO関連取引の唯一のトークン)の取引を停止した。2017年は、中国の投資家からの支援を受けて、トークン・クラウドセールで資金を調達した国際ブロックチェーンの新興企業の一部は、払い戻しを行うことで予防措置を取っている。

企業を海外に登録することは、とくに、シンガポールやスイス、エストニアなどのブロックチェーンに友好的な市場をもっている国では、中国国内企業にとっては選択肢である。たとえば、ブロックチェーンに基づいた予測市場企業のBodhiは、投資家向けに発表した声明によると、事業を継続するためにはシンガポールに登録することを選択している。その開発チームはシリコンバレーに拠点を置く予定である。ICOプラットフォームでトークンを購入した中国の投資家には投資資金は払い戻される。

中国のICO禁止の曖昧さは、企業が次の動きを算定することを困難にした。

「禁止の効果はゆっくりと見なければならない。毎日が違う」と北京を拠点とするブロックチェーンの新興企業の広報担当者は、政府の反響を恐れるあまり、匿名を条件にこう説明している。その企業はICOを開始してはいないが、他の企業に投資をしている。今、彼らは何が起こるのかを見守っている。

「政府はICOを効果的に監視する方法がないため、ICOがまったく起こらないようにしている」と彼女は説明する。 市場が発展するにつれて、それは同時に制御不能になったので、政府はICOを完全に停止しなければならなかった。

国境を越える

一方で、仮想通貨保有者は、取引交換所からトークンを引き出して、デジタル・ウォレットに急いで転送している。なぜなら、中国の取引交換所は将来、トークンの引き出しを停止する可能性があるからだ。中国人民銀行からの資本流出に対する厳しい監視が、HuobiOkCoinなどの国内最大の仮想通貨取引交換所に対して、2月に一時的に引き出しを停止させた。

さまざまな仮想通貨のチャットグループでは、投資家はこの先の投資がどうなるかについて熱心に話し合い、払い戻しを受け取るのは気がすすまないと話している。違法で危険なICOプロジェクトのエコシステムを除去する必要性をもっとも認識していたが、多くの人が、良いプロジェクトが過度に影響を受け、中国の投資家が参加できなくなることを心配していた。

上海に拠点を置く法律事務所のBroad&Brightの共同経営者であり、いくつかのブロックチェーン・プロジェクトの法律顧問でもあるRoland Sun氏はWeChatに、次のように投稿した。

StatusTenXOmiseGoのような優れた海外プロジェクトは不可解に攻撃されました。 彼らは中国での不法資金調達とは何の関係もなく、残りの人たちと混ざり合って踏みつけられている」

2017年9月5日、OmiseGoは、オープンソースの仮想通貨ウォレットである製品が必ずしも中国のICO禁止の影響を受けるとは限らないという声明を発表した。 TenXは、法律の専門家、投資家、顧問、そして彼らのコミュニティと相談したあとで、ICOの禁止が彼らに影響を及ぼすとは思わなかったことを、Tech in Asiaに語った。

確かに、ICOの熱狂的な流行は、中国の有無に関わらず、すなわち他の国からの差し迫ったより厳しい規制を継続させる可能性がある。たとえば、米国は、すでに、投資家の条件や状態に応じて、デジタル・トークンを含む金融証券に関する厳しい規則をすでに定めている。 シンガポールはまた、8月に新しい規則を策定した。その新しい規則とは、クラウドセールの前に、彼らの発行するトークンが規制当局者の証券の定義に一致しているかどうか、シンガポールの金融監督当局に目論見書を登録するように要請している。

中国のICOに対する包括禁止が発表された月曜日、クラウドセールのトークンを購入するのによく使われるデジタル・トークンの価格は、Coinmarketcapによると、約15%低下したが、その後、約325米ドルに回復した。

ICOの流行は、中国の有無にかかわらず続く可能性がある

今のところ、トークン・クラウドセールに参加したい中国の仮想通貨保持者は、自分たち自身のリスクで、海外のプラットフォームを経由して取引を行わなければならない。ICOのプラットフォームはまた海外へ注意を移すかもしれない。中国で事業を行っている海外のICO投資サービス会社の1社は、市場が中国国外へ進出することを期待しており、中国の新しい規制に対応して、他の国際市場へ焦点を変えるだろうと述べた。彼らは微妙な話題だけに、匿名性を条件とした。

ブロックチェーンに基づくクラウドセール・モデルが成熟するにつれて、世界中で規制が増加するのは不可欠かもしれない。結局、投資家や顧客(KYC)基準、アンチマネーロンダリング(AML)プロセスに対する基本的な保護は、信頼性の低いプロジェクトを排除し、長期的にはICO業界を強化するのに役に立つ可能性がある。

ブロックチェーンの新興企業に焦点を当てている香港のベンチャーキャピタル会社、Intrepid Venturesの最高開発責任者であるZach Piester氏は、次のように語っている。

「あなたが投資家、とくに洗練されていない投資家を詐欺している場合、およびまたは、あなたが事業を行っている管轄区域のKYC法およびAML法を完全に遵守していない場合、あなたの事業は停止させられるでしょう」

「これは中国特有の問題ではない」と、Zach Piester氏はつけ加えた。

出典:Tech in Asia

<辻 秀雄>