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シリアでビットコイン経済を作ろうとする男


CCNが、アミル・ターキ氏のインタビューを紹介している。アミル・ターキ氏は、ビットコインの社会ではダーク・ウォレット(Dark Wallet)の製作者として知られているが、2016年初め、シリアに行き、ビットコインを地元の人々に紹介しながら、4か月間、クルド人民防衛隊(Kurdish People’s Protection Units [YPG])と共に、カラシコワ銃を携えてイスラム国と戦っていた。

(黄色:クルド人自治区「ロジャヴァ」、水色:イスラム国)

「ロジャヴァでクルド人たちが戦っているのを見た時、行かなければならないと感じた」と、ターキは言う。ターキはシリアから英国に帰ってすぐに地元警察に捕まり、今は留置場で公判を待っているところだ。

「最初はただ怖かったし、死ぬだろうと思ってもいた。僕は、何の訓練も受けずに、カラシコフを渡されて前線に送られた。その途中で、他の西側の戦士たちから銃の使い方を学んだ。そして、銃を持って前線にいた。だから、いやでも戦わざるを得なかった。でも、本当は、どこか別の場所、僕の技術を生かせる場所に行きたかった」

ターキは、ダークウォレットと呼ばれるテクノロジーを基に、ビットコインを使って匿名で物品を売買できる「ダークマーケット」を創設した人物、また、ビットコイン交換所のBitcoinicaのオペレーターとして知られている。ビットコイン創世記にビットコインコードを書ける4人の重要な開発者たちの一人でもあった。

事実、ニューヨークタイムズのレポーターであり、「デジタル・ゴールド」の著者でもあるナサニエル・ポッパーは当初、彼の本でターキに焦点を当てて、ビットコインにおけるその功績を書く計画だったともいう。

しかし、2012年8月、ターキが買収したビットコイン交換所であるBitcoinicaがハッキングされ、22万8千ドル相当のビットコインが失われたために、それは実現しなかった。当時の1ビットコインの金額は$10だった。ビットコニカはそれ以前にも、保安違反で40000ビットコイン以上を失ったから、現在のビットコイン相場で計算すると6億6千万ドルの価値のビットコインを失ったことになる。
ビットコイン会社のトップたちは、誰しもビットコインのハッカー被害に悩まされている。被害者たちの中でも有名なのは、クラッケンのCEO、ジェシー・パウエルとビットコインドットコムのCEOロジャー・バーの2人だろう。

一方で、ターキのような開発者たちは、よりユニークなビットコインの利用手段も考案する。前出のポッパーも、こう書いている。
「ビットコインの初期は、アミールのようにこれで世界を変えられると心から考えた人間、そしてその変化のためにそのプログラミング技術を地道に使う若者たちによって支えられていた」

ターキがシリアにわたった動機も、イスラム国と自ら戦うためというわけではなかった。ターキが英国を去り、シリアでの戦闘に向かわせたものは、かれの技術を生かして公平な経済を創造することで、中東に平和をもたらしたいという思いだった。自分がビットコインのためにしたように、ターキは、新たな金融インフラを地元の人々に提供し、その経済の発展を図ろうとしたのである。
ターキは、言う。

「ロジャヴァに行った最大の目的は、イスラム国と戦うためではなく、クルド人の革命を手助けすることだった。最終的な解決策は中東の平和だ。そのためにはまず、経済を立て直さなければならず、そこに必要なのは、いつでも出し入れできる通貨だ。ロジャヴァは通商停止下にあって、今は海外との間でお金を動かせない。だから、私は、私の手でビットコイン経済を作ろうと考えたのだ。今、我々は、人々がビットコインを自由に外部とやり取りできるためのツールを持っている。そして、ビットコインは、中央銀行に管理されない通貨なのだ」

戦時下、自由にお金を使えない戦場でもインターネットがあれば、使えるビットコイン。それを提供するために、自ら戦地に赴くこんな若者たちが、これからもビットコイン市場を支えるのだろう。

<益永 研>

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