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【ブロックチェーン・カンファレンスTOKYO 2017】仮想通貨時代のアンチマネーロンダリング最前線~AML、OFAC、KYCへの最先端ソリューション~に潜入


2017年9月初旬、東京・麹町にある都市センターホテル3階のコスモホールで、午前10時から、「ブロックチェーンカンファレンスTOKYO 2017」にて「仮想通貨時代のアンチマネーロンダリング最前線~AML、OFAC、KYCへの最先端ソリューション~」が開催された。主催したのは、Blockchain Intelligence Group Japan。このカンファレンスでは、アメリカ合衆国国土安全保障省の特別捜査官であるRobert Whitaker氏が来日講演を行った。会場には、ビジネスパーソンを中心に500名近い人たちが参加した。

まず最初に挨拶に立ったのは、主催者であるBlockchain Intelligence Group Japanの最高経営責任者であるクリス・フィリアトロー氏。「ブロックチェーンは、私たちのビジネスや経済に革命を起こす素晴らしい技術で、これからの世界をもっとよりよいものにしてくれると確信しています」と述べた。

Blockchain Intelligence Group Japan 最高経営責任者 クリス・フィリアトロー氏

国土安全保障省の仮想通貨に対する見解

続いて登壇したのは、アメリカから来日した、国土安全保障省の特別捜査官であるRobert Whitaker氏。彼は、国土安全保障省のなかで、「不法財政および犯罪ユニット収入」(IFPCU)に所属し、不法デジタル経済プログラム(IDEP)を監督している。不法経済デジタルプログラムでは、仮想通貨の調査を担当。仮想通貨の調査に従事するエージェントに対して、トレーニングや機器の分析サポート、捜査手法を提供している。テーマは「国土安全保障省の仮想通貨に対する見解」である。

「私はビットコインの大ファンで、ビットコインは非常にエキサイティングな世界だと思っています。国土安全保障省は、全米には200、47カ国には66のオフィスを持っており、全世界で約6000名の捜査員が日々、犯罪捜査に従事しています。インターネットを使った犯罪には、薬物犯罪や児童ポルノ、武器の販売など不法な犯罪がたくさんありますが、なかでも私は、マネーロンダリングに特化した犯罪調査を行っています」

米国国土安全保障省 特別捜査官 Robert Whitaker氏

「仮想通貨のマネーロンダリングの捜査で必要なことは、各国の捜査機関と緊密に連携して、協力して捜査に当たることが重要です。さらに、仮想通貨やブロックチェーン技術などについても深い知識が必要となってきます。とくに、犯罪者は新しい技術をすぐに取り入れて、巧妙なかたちで犯罪を実行しています。ですから、われわれはその犯罪者がどんな手口で犯罪を考えているかを分析した、綿密な取り組みが必要になってきます。独自のスキルが必要ですし、捜査手法も変化をしなければいけない。われわれは、世界中のブロックチェーン関連の会社とも協力関係にあります。さらに、ダークネットと言われるサイトが絡む犯罪では、地域に大きな影響を及ぼし、死者も出ています」

「仮想通貨に関する規制は国によって大きく異なります。米国は、2013年3月に仮想通貨の取引・交換に関する指針を発表しました。このガイダンスは、米国の法執行機関が仮想通貨の不正利用を識別し、解体するのを助けています。取引・交換を認可されていない仮想通貨は、多くの場合、不正な活動につながります」

「ダークマーケットは私たち全員にとって脅威です。ダークネット市場は、銃器、爆薬、麻酔薬、サービス、および致命的な毒物などを販売しています。ダークネット市場のベンダーを積極的に調査しています。武器の売買は、今日のテロ脅威環境を考えると、すべての国にとって最優先事項であるべきなのです」

「国境を越えた犯罪組織は、フェンタニル(主に麻酔や鎮痛、疼痛緩和の目的で利用される合成オピオイドである。1996年のWHO方式がん疼痛治療法の3段階中の3段階目で用いられる強オピオイドである。麻薬及び向精神薬取締法における麻薬である)で上がる利益と供給源に注意を払っています。フェンタニル1kgあたりで1.2〜1.9百万米ドル(推定)。ジャパンタイムズによれば、2016年の過量投与により2015年の52404人から59000人〜65000人が死亡し、死亡率はこの10年で2倍になりました」

「フェンタニルの関係でいえば、私たちは、18歳のベイリーヘンケ君のフェンタニル過剰摂取による死亡事故について捜査を行いました。そうすると、米国周辺から複数の死者が発見されました。フェンタニルのダークネットマーケットのベンダーは、オレゴン州のポートランドにいました。ブローカーは、カナダの刑務所でした。フェンタニルの供給元は中国で、捜査は成功し、犯人は終身刑に処せられています。そして、ビットコインが使われていました」

「ビットコイン取引を匿名化する法執行機関として、私たちはいくつかのプライバシーに焦点を当てた仮想通貨の使用に注目し始めました。これらの中でもっとも人気があるのはMoneroとZcashです。これらの仮想通貨は、さまざまな暗号化手段を介して、取引の詳細を読みづらくしています。現時点では、ビットコインが依然として支配的です」

「日本は、最近の支払い方法としてのビットコインを受け入れている、世界的リーダーという立場です。私たちは次のように確信しています。『ビットコインが使いやすくなるにつれ、支払いなどの主流になるだろう』。仮想通貨は、国内外の商取引にしっかりと定着しています。国土安全保障省(HIS)は、法執行機関がブロックチェーン技術を導入して捜査を行う方法に根本的な変化が生じることを認識しています。HSIは、技術の進歩に伴い、犯罪の質も高度になっていくことを認識しています。HSIは、訓練、資源、政策、国際的なパートナーシップに重点を置いた多面的な戦略を実践するつもりです」

国土安全保障省が調査を手がけたダークネットには、シルクロード1や2、そして、Alphabayなどがある。Alphabayのサイトはシャットダウンされている。サイバー犯罪は、技術の進化によって、犯罪内容も高度化している。だから、国土安全保障省としては、各国の関係機関や技術関連企業との連携・協力が欠かせないと、強調する。

ダークウェブ/ビットコイン取引捜査追跡技術

続いて登壇したのは、Blockchain Intelligence Groupの代表兼創業者であるショーン・アンスティ氏。講演テーマは、「ダークウェブ/ビットコイン取引捜査追跡技術」についてである。

Blockchain Intelligence Group 代表兼創業者 ショーン・アンスティ氏

「ビットコインは次世代のインターネットを代表しています。ビットコインはインターネットの安全な伝達プロトコルと考えられるべきです。ビットコインが最初に使われたのは、ちょうど、電子メールがインターネット上で使われた最初のケースのように、支払いでした」と言いながら、ビットコイン取引の概要について詳細を解説したあと、ビットコインと犯罪の部分に触れた。

「ビットコインの価格は現在(コンファランス時点)、4700米ドルですが、価格が高くなるに連れて、犯罪に利用されやすくなります。新技術が開発されると、犯罪者はその新技術を使って法執行機関よりも先に進もうとします。ビットコインは今、ダークウェブ市場で使用されていますが、ビットコイン自体が悪いというわけではありません」

そして、Blockchain Intelligence Groupが開発した「QLUE」というビットコイン解析ソフトウェアの一端を紹介した。

「Blockchain Intelligence Groupは、世界中の法執行機関の専門家や代理店のための最先端のツールとして、ビットコインに関わる金融犯罪との戦いを支援するためのQLUE.ioプラットフォームを開発しています。QLURは、ビットコイン取引内の疑わしい活動検出するためのさまざまなテクニックと高度な検索アルゴリズムを備えています。たとえば、Torのようなダークウエブサイトでツールとしての使用されているものや、違法活動を隠すために一般的に犯罪者が使用する他の方法などを発見する、非常に優れたツールです」

午前中は、このふたつの講演が行われ、午後からは、A会場とB会場にわかれての講演となった。まず、A会場は、13時から青山学院大学法務研究家の教授である、カール・フリードリヒ・レンツ氏による「2017年のEUの改革。マネーロンダリング指令とビットコイン」のテーマで講演を行った。続いて、14時からは、午前中にも登場したショーン・アンスティ氏による「法執行機関のためのビットコイン/ブロックチェーン捜査技術ツール」の講演。さらに、15時からは、森・濱田松本法律事務所の弁護士である増島雅和氏による「サイバーセキュリティの現状、取り組み、今後の課題」についての講演。そして、A会場のトリを飾ったのは、これも午前中に登場したロバート・ホイットカー氏による「国土安全保障省の仮想通貨に対する将来展望」の講演が、16時から行われた。

一方、B会場では、13時からRootStock Labの最高経営責任者で共同創業者のディゴ・G・ズルディーバー氏による「ブロックチェーン活用のスマートコントラクト」の講演を皮切りに、14時からは、京都大学公共政策大学院教授で元日本銀行Fintech長だった岩下直行氏による「仮想通貨とブロックチェーンの可能性とリスク」、15時からは、ビットポイントジャパンの代表取締役で最高技術責任者である原田勉氏による「仮想通貨取引所におけるAML対策」、そして、B会場の最後の講演として、16時からパネルディスカッションが「仮想通貨のためのレグテック」「仮想通貨と未来」の2つのテーマで行われた。

ブロックチェーンとか総通貨について知る、非常に有意義な一日だった。

ブロックチェーン・カンファレンスTOKYO 2017

<辻 秀雄>

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