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【株式会社ビットポイントジャパン】書籍販売記念「1時間でわかるビットコイン入門」シリーズの著者、小田玄紀氏にインタビュー


株式会社ビットポイントジャパン代表取締役小田玄紀氏

今回は昨年11月と今年5月に「1時間でわかるビットコイン入門」シリーズ2冊(別掲)を相次いで出版した小田玄紀氏にインタビュー。小田氏は5年前、東証マザーズ上場の株式会社リミックスポイントの経営に参画。電気事業などで会社再建に腕を振るった後、昨年3月に仮想通貨取引所である株式会社ビットポイントジャパンの代表取締役に就任(兼任)した。その際、周囲の人たちから「ビットコインって何?」「大丈夫?」と心配され、有望なマーケットなのに、このままではいけないと思ったのが執筆の動機だったという。

「1時間でわかるビットコイン入門」シリーズ

1時間でわかるビットコイン入門~1円から送る・使う・投資する~

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1時間でわかるビットコイン投資入門~誰でもできる超シンプル投資法~

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金融商品取引業者と同じレベルのシステムと管理体制を

エムトレ:小田社長が書かれた2冊の本は、初心者にも本当に分かりやすくて非常に勉強になりました。まず、会社の背景からお聞かせいただけますか?

小田:私が5年前に経営参画になったリミックスポイントは東証マザーズに上場して10年たっていましたが、当時は低迷していました。しかし、3年半前から電気事業を中心に業績は回復しました。電気事業に投資してみて感じたのは、法律が変わる時のマーケットには魅力があるということでした。ちょうど昨年、仮想通貨が日本で法的にも正式に認められるという話が出たので挑戦したいと思い、昨年3月3日にビットポイントジャパンを立ち上げました。現在の資本金(資本準備金含む)は4億3000万円で、その98%の株をリミックスポイントが保有しているので、連結子会社ということです。

エムトレ:取引所はこれから金融庁管轄の業者となります。今後、大手の証券会社やFX会社などもこのビジネスに参加する予定ですが、御社の強みは?

小田:当社の強みは、金融商品取引業者レベルの管理体制です。いままでビットコインを取り扱っていた業者の多くは、ビットコインの事は分かっているかもしれないけれども、金融商品のことは分かっていないというケースも少なくありませんでした。どちらかといえば、「フィンテック」でも「テック」の方に偏りがちという印象でした。われわれは、どちらかといえば「フィン」から入ってきたと思っていただければいいと思います。

例えば、当社の一番のポイントは、元楽天証券CTOだった原田勉氏にCTOをしていただいていることです。原田氏は株式・証券先物といった金融ビジネスのシステム構築をされてきた方であり、ビットコインについてもしっかりしたシステムの構築や管理をお願いしています。そういうバックボーンのある方に来ていただいたおかげで、安心・安全な取引所が出来たといっていいと思います。システムだけでなく、勧誘方法についても不正はないか、あるいは反社会的顧客については、入り口から拒否するなどの厳しいチェックを行っていて、今はそういう部分も高く評価されていると思います。

エムトレ:なるほど。

小田: MT4を使った取引システムも載せており、FXのユーザーからはリンクするところが多いという評価もいただいています。また、1年間やってきて、海外の取引所ともリンクを進めた結果、当社に来られれば、まず間違いなくビットコインが買えるという体制もできました。多分、1日50万ビットコインぐらいの注文が来ても耐えられると思います。これも強みだと思います。それに加えて、ビットコインの投資というだけでなく、決済・送金も活発に行っています。その点、お客様の様々なニーズに迅速に対応できているとも思います。

「ビットコインは大丈夫?」という不安払しょくのために執筆

エムトレ:ビットコインというとまだ「怪しくないの?」「何なのそれ?」という方が多いと思いますが、そういう方が小田社長の書かれた「1時間でわかるビットコイン」を読まれると、理解が深まっていいかなと思います。この本を書かれた経緯は?

小田:まず「ビットコイン入門~1円から送る・使う・投資する」という本を昨年11月に出しました。私自身、昨年3月にビットコインに取り組み始めたのですが、最初は10人中8人までが「大丈夫?」という感じでした。当時はまだ大半の方がマウントゴックスの破たんもあって、ビットコインというと不安、危ないという印象だったのだと思います。これを変えていかないとビットコインそのものが普及しないと思ったわけです。といって、口で一方的に説明しても難しいとも思ったので、それに適う本を書こうと考えました。ビットコインとはこういうもの、マウントゴックスは、実はビットコインの問題ではなく、マウントゴックスという会社の問題なのだということを伝えるために書いたのが最初の本だったのです。

エムトレ:反響はいかがでしたか?

小田:滅茶苦茶ありました。その本は2万部売れたのです。しかもネットで売れたのが1万5千部。今はもっと売れているようです。実は、こういう本は3千部とか5千部が当たり前で、そこまで売れるのは珍しいとも言っていただいています。

エムトレ:これからビットコイン投資を始めようという方にとっては、次の「ビットコイン投資入門」が良いと思いました。対談形式で、お相手の福井仁美さんは、もしかしたら新しい商品ということで抵抗があるかもしれないと思って読みましたが、福井さんご自身も株式投資をされているので、これから始めようという投資家にとっては非常に分かりやすい内容になっていると感じました。ところで、この本にも書かれていますが、金融商品はある程度、分散して持つべきだとお考えですか?

小田:そうです。ビットコインに限らず、投資はどうなるか分からないという意味で、分散投資が原理原則、基本だと思っています。

エムトレ:仮想通貨を一つの商品として考えるべきでしょうか?それともビットコイン、あるいはその他のアルトコインをそれぞれ見ていくべきだと考えられますか?

小田:今の段階では、ビットコインが上がれば他の通貨も上がるというところなので、仮想通貨全体をまず見ていく方が良いと思います。

エムトレ:仮想通貨の理解を深めると共に、他の株やFXといった商品の理解も深めて、分散投資をしていく方が良いということですね?

小田:そうですね。

エムトレ:現在の仮想通貨は、ボラティリティが非常に高い感じがするのですが、値動きが大きいことについては、どうお考えでしょうか?

小田:ボラティリティが高いのは、逆に言えば投資チャンスもあるということで、それが悪いとも思わないのですが、中長期的に言えば、ある程度安定していくだろうとは考えています。一方で、一般的には暴落することが注目されがちですが、私としては逆に暴騰する方が問題だと思っています。例えば、ビットコイン価格は今年3月に、13万円から急に30万円まで上がってしまいましたが、本当は需要と供給のバランスを取りながら、だんだんに買われていって、安定的に上昇していくのが本来の姿かなと思っています。そういう意味では、個人的には今は15万円から18万円が適正価格であり、今後、徐々に30万円に近づいていくのがあるべき姿だったのではないかと思うのです。その意味で、今は、下がった方が逆に健全なのではないかとも思いますね。

エムトレ:なるほど、おっしゃる通り、他の金融商品から見ると異常な上がり具合ですね。投資家から見ると、上がった時には喜びますが、下がった時は、「あぁやっぱり怖い」となってしまうかもしれません。中には損切りしてしまう人もいるでしょうから、仮想通貨投資の今後を考えると、あまり良くないかもしれませんね。ところで、この本の中で「2017年、18年は飛躍の年で、30万円も目指せるのではないか」とおっしゃっています。実際には、すでにその価格を実現してしまったわけですが、その原因は何だったのでしょうか?

小田:やはり、改正資金決済法が施行され、マスコミもようやく注目するようになったことが大きな理由だったと思います。

エムトレ:注目度が高まったがゆえに買われたと?

小田:そう思います。

株式会社ビットポイントジャパン代表取締役小田玄紀氏

ビットコイン決済の実需拡大に努力も

エムトレ:いままで、ビットコインの価格の源泉はマイニング人口が多い中国ではないかと言われてきましたが、今年に入ってからは、中国政府もいろいろと対応しています。今のメインのプレーヤーは誰でしょうか?

小田:日本人です。日本人が今、市場の40%を占めています。他は、アメリカが30%、韓国も増えていて15%ぐらい。中国は13%ぐらいです。その他がヨーロッパという割合になっています。

エムトレ:マイニングを行っている人はまだ、中国が多いのでは?

小田:多いのは中国です。しかし、マイニングの量はそう多くないと思います。というのは、マイニングできる量が10分間に12.5ビットコインなので、1日で見ると1800ビットコイン程度です。それって、全体の取引量からみれば数%にすぎません。ですから、マイニングしているから取引量も多いとは言えなくて、全体的に見れば、取引量は圧倒的に日本が多いのです。何しろ、日本だけでも、1日100億円から200億円が取引されていますから、そう考えると、中国の取引量はそれほど大きくはなくなっていると言っていいと思います。

エムトレ:中国は、政府が他の分野で規制しているせいで、実需としてのビットコインへのニーズがありました。日本の場合はどうでしょうか?

小田:今の日本は投資・投機の取引が大半です。しかし、これはあまり良くないと思っていて、これからは、ビットコインで買い物をする、飲食するといった実需面での流通が課題になってくるでしょうね。仮に、ビットコイン決済が1日に20億円から30億円レベルになったら、その10倍の200億円、300億円ぐらいの取引所取引があってもいいと思います。しかし、今はビットコインを使った実需の決済は1日数百万円もないと思います。それに対して、先程申し上げたように、投資としての取引所取引は日本だけで200億円以上あるというのは、異常な状況だと思います。通常の法定通貨の取引についても、実需の10倍ぐらいが適当なのではないでしょうか。

それもあって、当社では今、いろいろな会社と提携して、ビットコインを使えるお店を増やしつつあります。実需が増えれば、いずれ価格も安定してくるとも思います。そのためにも仮想通貨で決済できるお店を増やしていきたいと考えています。

エムトレ:本にも書かれていたように、仮想通貨決済のお店には飲食店も含まれますが、例えば、利用者がクレジットカードで決済すると、飲食店側も5%ぐらい手数料を取られます。最近はSPIKEなどで3%程度と多少安くなったようですが、仮想通貨ならもっと安くなりますか?

小田:今でも、大体1%ぐらいです。

エムトレ:それは良いですね。ところで、仮想通貨を取り扱っていただく際、一店舗ごとに決済のやり方などについて、レクチャーされているのですか?

小田:現状はそうです。それだと結構大変ですので、当社では現在、通常の仮想通貨取引の一環で処理できる、店舗も簡単に参加できるようなプロジェクトをやろうかなと考えています。

エムトレ:店舗側からよく聞くのは、eddyにせよsuicaにせよ、決済のための端末機器がたくさん並ぶことになるのはいやだという声です。多分、それは解消されるのでしょうが、それを解消しないと、仮想通貨の導入についても及び腰になるかとも思います。

小田:そうでしょうね。

エムトレ:ところで、投資商品としてのビットコインのリスク度はロー、ミドル、ハイのどこに入ると思われますか?

小田:難しいところです。実は案外、ローリスクだと思っているのです。ビットコインとかブロックチェーンの情報には、インサイダーという存在があまりありません。本当に需要と供給によって上がったり下がったりするのです。過去のトレンド、チャートを見ると、個人的には、直近で言えば15万円まで下がったら買いだと思うのです。分かりやすい。そう考えると、高いレバレッジをかけなければ、ある程度の流動性もありますから、投資した資金がまったくなくなってしまう可能性も低いと思うのです。その意味ではローリスクかなと思う次第です。株式だと、その会社が倒産すれば完全になくなってしまう。その意味では、ビットコインは価格がなくなることはありませんから、ローリスク、その上、うまくすれば倍ぐらいの価格になることも期待できるという意味で、ミドルリターン。まぁ、それでもミドルリスク・ミドルリターンといっておく方が無難ですね(笑)。

エムトレ:ビットコインの価格ですが、取引所によってそれぞれ異なります。投資家としては、その点をどう考えればよいのでしょうか?

小田:シンプルな答は、そこまでまだ多くのプレーヤーがいないということです。ビットコインは需要と供給によって価格が形成されるからです。つまり、取引所によって、投資家数が異なり、需給も異なるということです。

もう一つの理由は、株の場合、24時間取引といってもニューヨークや東京など、市場によって取引時間が分かれていますが、ビットコインはずっと続いていることです。ニューヨークでも東京でも、常に参加できる環境があるのです。当然、国によって経済環境や為替が違い、ビットコインにも異なる価格がつきます。日本円とビットコインだとこの値段、米ドルとビットコインならこの値段という形で、価格が異なってきます。円高になってくると、仮に為替市場が開いていなくても、ビットコイン市場では、それぞれ違う値段がついてくるということはありますね。

エムトレ:今は取引所がお互いに融通し合っている状況がありますが、プレーヤーが増えてくれば個々の取引所の価格も安定してくるでしょうか?それとも、例えば、日本は日本で国内取引所が全部つながるようになれば安定するのか、米国と中国をつなげれば、安定するのか、その辺はどうでしょうか?

小田:スプレッドの話と取引量の話はまた多少違うと思います。全てをつなげれば、取引量は当然増えるのですが、取引所間のスプレッドはまだ残ると思います。例えば現在当社で結構あるのは、ウチで買って別の取引所に送って売るという取引です。今のビットコインの取引の大半が、実はそういうアービトラージ取引ではないかとも考えているのです。それだけ、今の取引所の価格は、取引所ごとに500円とか1000円とか違っています。

エムトレ:あるいは、もっとかもしれませんね。

小田:そうですね。ただ、この状況はいずれ近いうちに是正されると思います。

「取引所の選択」が重要に

エムトレ: よく聞かれる質問をいくつかお聞きしたいのですが、まず、ビットコインを買った時に、「僕のビットコインはどこに保管されているのか?」という質問も多いのですが、どうお答えになりますか?

小田:単純な答えは「ビットコインはウォレットにある」というものですが、「そのウォレットは今は、取引所にある」と言うのが一番だと思います。その上で「今、一番大事なのはどの取引所を選ぶかなのだ」と言うことです。実際に、取引所によっては、ハッキングの機会が生まれてしまっており、ちゃんとした管理体制があるかどうか、取引所選びにとって一番大切な点です。

ブロックチェーンというテクノロジーはしっかりしていますが、管理体制は取引所によって異なるので、それが甘いとハッキングされたりするわけです。取引所選びが重要だと思います。

エムトレ:分かりやすく言うと、銀行の中に私書箱があって、そこにそれぞれのウォレットが入っていて、買ったビットコインが保管されている。警備体制が甘いと、泥棒に盗まれてしまうといったことですね?

小田:そうです。

エムトレ:仮に、私のウォレットに入っていたビットコインが勝手に半分持っていかれてしまった場合、それに対する補償はされるのでしょうか?

小田:取引所の責任です。

エムトレ:ただ、持っていかれたビットコインを取り戻すことはできないのでは?

小田:できません。ただ、細かい話をすると、例えばAというお客様が3ビットコイン預けていました、Bというお客様が10ビットコイン預けていました。取引所は全部で6000ビットコイン保管していましたという場合、取引所は、Aさんが3コイン、Bさんが10コインという形の管理をしているわけではありません。お客様全体で6000ビットコイン預かっているという管理です。なぜそうなっているかというと、ビットコインアドレスというのは、全部で何十桁になっているのですが、これを追えるようにしてしまうと、誰がいつ、どれだけ売買したかの情報が全部わかってしまうのです。

それがあるために、取引所は、ブロックチェーンを使ってビットコインを買う場合に、取引所の名義で買うのです。その上で、別の管理口座で、各お客様の口座は扱うわけです。お客様と会社の資金は当然、分別管理していますが、売買については、取引所がまとめて行うということです。その方が、セキュリティー効果も高いのです。

エムトレ:そう聞くと、やはり、取引所選びは重要なポイントですね。

小田:その通りです。

取引所選びのポイントは、まず取引所に電話をしてみること

エムトレ:今回の法改正で、仮想通貨取引所も登録することになりましたが、現在のところ、これまで業務をされていた御社のような会社は、登録申請中でも業務を継続、他の金融商品取引業者は、登録が終了するまで業務はできない状況です。一方で、今後、登録を申請しない、あるいはしても認められそうもない業者も、今は業務ができる状況でもあります。こういう宙ぶらりんの時期に、それでも始めたいと思ったら、業者選びは、どうすればよいのでしょうか?

小田:一番分かりやすいのは、その取引所に直接電話することです。電話すれば、その会社がどんな会社か大体分かります。中には、ホームページに電話番号の無い会社もありますが、そういう会社は辞めた方が良いです。電話番号があってもなかなかつながらない、メールをしても返事が遅いといった会社もダメです。お金を預ける処ですから、返事が3日もないというような会社は、何かの時にも対応できないと考えた方が良いです。まずは電話することですね。それから、財務内容が健全かどうか、それが開示されているかどうかも、会社を判断する時には必要です。

エムトレ:御社は、その点、いかがでしょうか?

小田:当社はコールセンターがあり、適切、迅速に対応しています。

エムトレ:コールセンターは、体力が無ければ難しいですね?

小田:そうですね。でも、顧客からお金を預かる以上、それをやっておかなければダメです。

エムトレ:これもよく聞かれると思いますが、ビットコインは、他のどんな商品と相関関係があるのでしょうか?

小田:最近は崩れてしまいましたが、あったのはFXです。円高になればビットコインは下がる、円安になったら上がるという傾向はありました。米ドル建てでビットコインが2000ドル、ドル/円が110円なら220,000円が適正値だったわけです。ドル/円が100円なら20万円。しかし、最近は日本での買いが多いので、円高になってもあまり下がらない傾向があります。しかし、FXとビットコインは間違いなく相関関係がありますね。

エムトレ:ビットコインが一番多く保有されている国はどこなのでしょうか?

小田:取引量が最も多いのは日本ですが、保有量となると、まだ中国でしょうね。

エムトレ:これもよく聞かれることですが、最近、ビットコインを送金する際の時間がかかりすぎると話題になっていますが、どのようにお考えでしょうか?

小田:この時間については、皆さん、結構勘違いされているかもしれません。実際には、送金した段階で、送金は終わっているのです。あとは、それがキャンセルできない状態になるのに、どのくらいの時間が必要かということなのです。当社でも、取引が成立して、それを書き込んだ段階で、日本円に振り替えています。

もう一つ重要なことは、送金手数料をどう設定するかです。

実は当社は他の取引所より手数料を高く、といっても何百円でなく、何円の差ですが、設定しているのです。そのおかげで、他の取引所より、ウチの方が送金のスピードは格段に速いのです。

エムトレ:手数料を払うのは、マイナーに対してですよね?

小田:マイナーです。

エムトレ:つまり「賞金」ですよね。それを高く払えば、速く送れるということですか。なるほど。僕自身、ある取引所から別の取引所に送金した際、15分もあれば送金できるだろうと思っていたのに、数時間かかった経験があります。

小田:今は取引所によっては10日かかるところもありますね。今は、異常に遅いのです。そこまで遅くなくても、時間がかかる取引所では、数時間かかるのは当たり前という取引所もありますね。

その理由は2つあって、一つは取引所の送金手数料が非常に安く設定されていること。もう一つは、取引所によってはビットコインの残高が足りなくて、Aという顧客のビットコインを、Bという別の顧客に回しているという可能性もあるということです。

エムトレ:それって、問題にならないのですか?

小田:難しいですね。ビットポイントの場合は、通常、送ったらすぐに承認されて反映されるのですが、他社の場合は送ったビットコインが別のところに使われていたということがあったようです。当社の顧客でもある方がビットコインを送金したところ、それがその方の口座に反映されなかったのです。「どうしたのか?」と先方の取引所に聞いたら、「まだトランザクションが承認されていない」というわけです。その方はブロックチェーンに詳しく、当然、トランザクション状態が確認できますから「承認されているはずだ」と言ったら、結局、そのビットコインが他のユーザーに分けられて送られていたのです。こちらは最初、ハッキングにあったのかもしれないと心配して確認しましたが、結局ハッキングではなく、その取引所に、ビットコインの残高不足があったということが分かったのです。

だから、結局、取引所選びは大切だということです。

エムトレ:御社は出金要請したら、何日ぐらいで銀行に振り込んでいただけますか?

小田:決済については数分、振り込みも、翌営業日には銀行に振り込ませていただいています。

エムトレ:ビットコイン決済を用いて買い物をする場合、今のように大きな価格変動はネックになりかねません。例えばビットコインが30万円の時にネットで注文して物を買おうとしたら、注文してしまってからビットコインの価格が27万円に下がってしまい、買えなくなってしまったということもあるかもしれません。そういうケースはありませんか?

小田:あるかもしれませんが、お店には何のリスクもありません。問題は、買い手がレートに合わせて現金で買うか、ビットコインで買うかを上手に判断できるかどうかということです。

エムトレ:先程のアービトラージ取引についても、一度引き出して送金・入金する過程で時間がかかってしまうと、適切な取引ができない恐れがありますが?

小田:当社でも、ビットポイントで1ビットを30万円で買い、別の取引所で31万円で売って1万円儲けようとする取引は多いのですが、送金している間にビットコインの価格が下がってしまって29万円になっていると、逆に1万円の損になってしまう。そういう可能性は常にあります。

エムトレ:今は、それは仕方がないということなのですか?

小田:本当はいけないことですが、それを仕方がないと思わせているのが、今の問題なのです。今年10月ぐらいから証券やFXの会社が仮想通貨の取引所として参入してくると思いますが、そこでちゃんとした業者とプレーヤーが増えたら、仮想通貨投資もしっかりしてくると思います。早くそうした市場環境になって欲しいと思います。

株式会社ビットポイントジャパン代表取締役小田玄紀氏

ビットコインとイーサリアム、どちらが基軸仮想通貨に?

エムトレ:これまで、仮想通貨と言えばビットコインが象徴的存在でした。今後の実需拡大の中で、ビットコインを中心にして、対ビットコインで他の仮想通貨の値段が決まるということも考えられます。その意味で、ビットコインはずっと、仮想通貨の中心的存在であり続けるのでしょうか?

小田:そういう意味では、ビットコインよりもイーサリアムだと言われていまして、実際に、イーサリアムをベースにした新しい通貨が出来てきているのです。とは言っても、皆さん、1年前まではビットコインですら知らなかった。人は単純なもので、仮想通貨=ビットコインだという人はまだ多いと思います。

実際に、新しいプレーヤーが増えてくる中で、最初に買うのはビットコインだと思います。それから、他のアルトコインも見始める。その意味で、個人的には5年後、10年後は違ってくるでしょうが、当面、1,2年はやはりビットコインが中心であり続けると思います。

エムトレ:FX市場の米ドルのようなものですか?

小田:米ドルと言うより、金本位制時代の金ですね。今でこそ、金より米ドルの方が基本になっていますが、それでもまずは金を買って、それから実は金より、通貨の方が良いなとなって米ドルを買う。そういう流れで投資に関わる人はまだ多いのではないでしょうか。

エムトレ:イーサリアムが将来の柱と聞いて、ふと思うのですが、ビットコインはすでに30万円を実現しましたが、イーサリアムを筆頭に、他の通貨はまだ安いですよね。であれば、これから始める人は、イーサリアムやリップルといった他の通貨を買えば、夢が大きいのではないですか?

小田:それも答が難しい話ですが、おっしゃるように今のイーサリアムは38,000円ぐらいの価格でビットコインに比べると安く見えます。しかし、時価総額に換算すると、ビットコインが4.5兆円ぐらい、イーサリアムが4兆円ぐらい。つまり、イーサリアムのマイニングも、ビットコインと変わらないほど進んでいるのです。

株式で言えば、当社の株価は1株1600円ぐらいで、時価総額は600億円ぐらい。一方で、1株25000円なのに、時価総額は10億円程度という会社もあるわけです。こういう違いも含めて、どういう視点で相場を見るのかが問題になるわけです。

今、ビットコインは1640万ビット、イーサリアムは9200万イーサリアム以上発行されています。確かに、イーサリアムの単価は安いのですが、流通総額で換算してみると、どちらもすでにそう変わらないのです。リップルにしても、見た目は35円とか安いと思われるでしょうが、実はリップルでさえも1.3兆円ぐらい発行されています。単価が安く見えるというのと、価値は異なるわけで、今後は、その通貨をどんな会社や店舗が、どれだけ利用するかで本当の価値も変わってくるのだと思います。

エムトレ:ビットコインについては、こんな質問もありました。本の中に、ビットコインはすでに70%以上マイニングされているとあったが、では100%になったら、どうなるのかというものです。これには、どう答えればよいのでしょうか?

小田:おそらく、ビットコインをベースにした他の通貨が出てくると思います。ビットコインニューとか、ビットコインクラシックとか。

エムトレ:ビットコインを作ったブロックチェーンをそのまま利用してということですね。

小田:そうです。

エムトレ:最後に、本の読者と、これからお読みになる方々に、メッセージをお願いします。

小田:ビットコインというとまだ不安だと思われている方もいらっしゃると思うのですが、大事なことはまず、ちょっとでも結構ですから買ってみる、そこから始めていただきたいと思います。

エムトレ:今日はいろいろとお話を聞かせていただき、有難うございました。

(インタビュー日:2017年6月16日)

お知らせ

今回お話頂いた小田玄紀氏と株式会社ビットポイントジャパンのご厚意により、小田氏が書かれた「1時間でわかるビットコイン入門」シリーズ2冊をセットにして、5名の読者にプレゼント!

ご希望の方は、こちらまでご応募下さい。締め切りは7月15日です。

<益永 研>