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【日本仮想通貨事業者協会】森・濱田松本法律事務所の増島雅和氏による「ICOについて」。日本仮想通貨事業者協会の「2017年7月度勉強会」に潜入


日本仮想通貨事業者協会は7月27日、東京都内で7月度勉強会を開催した。

当日はまず、森・濱田松本法律事務所の増島雅和氏が「ICOについて」と題し、別掲のスライドに即して、急増しているイニシャル・コイン(トークン)・オファリング(ICO)とは何か、そしてその現状と法制度、実務などを詳細に説明した。

続くパネルディスカッションでは、実務家から見た世界のICOの現状を報告した後、国内におけるICOに関わるコイン発行者の中に見られる問題点と、その法規制の難しさなどを議論し合った。

前回のパネルに続き、この日の講演とパネルも仮想通貨交換業者の自主規制団体として為すべきことに向かって大きく前進していると感じさせる内容となった。

急増しているイニシャル・コイン(トークン)・オファリング(ICO)とは何か、そしてその現状と法制度、実務

増島氏は、新たな仮想通貨を発行し販売するICOを「トークンセール」というと定義した上で、2017年6月時点で、「直近12ヶ月でブロックチェーン関連企業のトークンセールによる調達資金額がベンチャーキャピタルのそれを上回っている」と指摘。特に今年4月から6月までは毎月100%以上の伸びを見せていると語った。その上で仮想通貨全体の時価総額は、6月のピーク時で1160億ドル、7月22日時点では959億ドルになっていると報告した。

ICOはしばしば有価証券によるIPOと比較されるが、これについて増島氏は有価証券で公募すると証券法が足かせになるが、トークンは有価証券に当たらないデジタルアセットのクラウドセールなので現在は規制がなく、これを有効に使えば有価証券の法律には当てはまらないと語った。ただし、有価証券に似た仮想通貨は金融になる」として、取引所は、有価証券に似た仮想通貨は取り扱えないとも改めて指摘した。

その上で、トークンを設計する際の留意点の一つとして「有価証券に当てはまらないためには何が必要か」として、米国の有価証券取引法や日本の金融商品取引法、資金決済法などに該当するかどうかの確認も必要だと指摘した。

次に、トークンセールの具体的方法を紹介。この詳細は、別掲のスライド(前出)に詳しい。

ICOの具体的事例と最近増加している問題のあるICOに対する抑制・規制などについて

写真左上より:朝山貴生氏、河合健氏、大石哲之氏、柿澤仁氏、増島雅和氏

続くパネルディスカッションでは、増島氏に加え、トーマツベンチャーサポート株式会社の柿澤仁氏、テックビューロ株式会社の朝山貴生氏、ユナイテッドビットコイナーの大石哲之氏らがICOの具体的事例を語り合った上で、最近増加している問題のあるICOに対する抑制・規制などについても意見を交わした。

パネルではまず、マウントゴックス以前からビットコインを取引しているという大石氏が口火を切り、ICOは3年ほど前に出現した「ストレッジ」が5千万円ほど集めたのが最初の事例とした上で、その後、イーサリアムのセール(2004年)で15億円ほど調達したほか、「Factom」(ネットワーク上に記録を残すことにトークンを払う)や「Auger」(予測を立て、どちらが当たるかにオッズを立て、その配当を受けられる)などでの調達事例を紹介。その上で「昨年夏ぐらいから案件が出て、今年に入って117件以上と急増している。また種類も発行主体もバラエティに富んでいる」と指摘した。

また、最近の事例では、イーサリアム建てのICOが多く、その結果、イーサリアムの価格も以前に比べると100倍になっていると語った。

以下、モデレーター(アンダーソン・毛利・河合法律事務所の河合健氏)の質問に対するパネルでの問答をいくつか抜粋する。(以下。敬称略)

河合:どの国に注意を?

増島:日本は買っているという認識。他の国の事はまだ分からない。

大石:米国のものは買うなという話が良く書いてある。

河合氏:どういうサイトにICOの情報は出ているのか?

大石:ICOのスケジュールのサイト。例えば「コインスケジュール」、「クリプトコイン・ポータル」など。

河合:発行場所としてはスイスやシンガポールが多い。その理由は?

柿澤:スイスは他国の規制が及びにくい。

大石:多くはオープンソースで開発しているので、作っているのは多国籍でやっている。イーサリアムが最初にスイスでやった。

朝山:法律上、通貨の発行を認めている国ということで、ブロックチェーン系の企業やウォレットの企業もスイスに本拠を移している会社が多い。

河合:こういうICOはダメというのは?

朝山:まずセミナーでやっている会社。

増島:そもそもネットで売るものなので、対面でやるのはダメということ。

河合:法律上、規制はするのだろうか?

増島:役所からもルール作りで相談される。しかし、有価証券法でくくるのは難しい。

柿澤:いかにも怪しいと思うものは買わないことだ。

朝山:取次店、代理店なども登録が必要だということになっている。だが、中には「資金決済法は1回だけなら違反にならない」という業者もいる。明らかにマルチグループでやっていると分かるものと、分からないものがあるから注意が必要だ。

大石:ろくなプロダクトができない。プロトコル系イーサリアムは生まれているが、ティーアップ系のコインはほぼゼロ。

朝山:ニューコインもだめ。一方で、ベンチャー資金が入っている。大企業の資金が入っているといった形の実経済の信用を使ったICOの方が、調達金額が大きくなっている。

河合:コイン型、通貨型、利用型があるが、利益の配分は?

大石:「オーガ」は、プラットフォームを提供して利益を配分するというのが初めてだが、まだ立ち上がっていない。

朝山:持っているだけで配当が来ると言うのは流行らなかった。出ているのは詐欺コインだけ。

河合:純粋売り切り型が多い?

大石:プロトコル型が多かった。今は発行主体があって、それを売るというものが多い。これは本来の主旨から外れているのではないかと思うが。

河合:法人自体のトークンを売ると、売り上げになるのでは?

柿澤:一口で言うのは難しいが、プリペイド型や会員権を売ると予約販売になる。それで手に入れる資金は売上げとなり、法人税の対象になる。消費税もかかる。

河合:ステータス型、ユーセッジ型は?

増島:普通に売り上げとなり、課税される。

河合:安易に調達すると課税されるということですね。また、投資型だと証券法にも注意ということですが?

増島:変なコインを作る人々を抑制する効果はある。

朝山:しかし新規上場のコインは見返りが多いので、正当な仮想通貨の上場を妨げる規制が多すぎると、そういう人たちは海外に出て行ってしまう。だから、ホワイトリストを作るなら、これは詐欺通貨でないということも分かるようなものがよい。発行者の悪意を排除することが課題。金融リテラシーに欠ける一般の人たちが多く入ると、また規制が入ってしまう。

<益永 研>

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