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FXCM米国事件の余波 関連会社売却先各国FX関係各社にも今後影響か


FXCM米国事件の余波 関連会社売却先各国FX関係各社にも今後影響か

米国FXCM社(NASDAQ:FXCM)がCFTC(米先物取引委員会)から2月6日、詐欺的行為他罰金700万ドルの処分を受け、同時に同社および同社役員の永久的な米国での金融業者登録の禁止という事態を受けて、米国では同社の株価が一時、$6.65から$3.52へと約50%急落した。

ただその後、米国FX業界第二位のGain Capital社によるFXCM社の米国顧客口座買収が確定し、株価は$8.30まで反騰したものの、米国第一位のFX会社の米国撤退は、同社と関連する他の国の企業にも大きなショックを与えている。

中でも注目された1社は、2015年1月に、FXCM社に3億ドルを貸付けたLeucadia社だ。

Leucadia社はFXCM社を再び救うのか?

FXCM社は、スイスフランショック(スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が2011年9月から維持してきたスイスフランに対するユーロの下限(ユーロスイス相場)を1ユーロ=1.2000スイスフランとして無制限介入を行っていくという為替方針を2015年1月15日に突然撤廃、その結果ユーロスイス相場は一時41%の急落となった。主要国通貨においては過去に例を見ないマーケット変動となり金融市場に混乱をもたらした)で2億2500万ドルの顧客未収金が発生し、カウンターパーティーに支払うべき損失分として3億ドルを、Leucadia社から借り入れした。この3億ドルの返済のため、FXCM社は2015年1月以降、所有財産の売却(約442万ドル)を手に入れ、これも含めて、2016年10月末までにおよそ1億5400万ドルをLeucadia社に返済している。

しかし、むろんLeucadia社に対する債務はまだ残っている。両社の返済条件によると、金利が初年度10%、その後毎年1.5%づつ上昇し、上限は20.5%となっているから、現在もまだ1億4600万ドル以上の債務残高があるとも見られている。

両社のローン契約によれば、返済が完了するまで、FXCM社に「資産売却、有罪判決、保険金収入、債券・株の発行」といった動きがあった場合、Leucadia社が強制繰上げ返済を要求できるとされており、今回の米国における処分も基本的には、この条件の一つに相当するが、実際のところ、残されたFXCM社の資産をすべて手に入れても、Leucadia社にとってはマイナスになると見られている。

そこで注目されているのは、ではLeucadia社が今後、評判の悪くなったFXCM社からすっぱり手を引くのか、貸付金回収のために、再び救いの手を差し伸べるのかということだ。2月8日現在、その決断はまだなされていない。

楽天証券香港にもFXCM香港買収の影

Leucadia社はもちろんだが、今回のFXCM社の処分によって今後、多少なりとも影響を受けそうな会社は他にもある。

例えば、2015年以来、FXCM社はその資産を切り売りして、Leucadia社への返済に充ててきたわけだが、それらの資産を買収した各国のFX関係各社にも今後多少の影響があるのではないかとみられている。

FXCM社の「遺産」を買い取った会社には、IGグループ(2016年9月にFX情報サイト「DailyFX」をFXCM社から4000万ドルで買収)、AS Expobank社(2015年12月にFXCM社の株式部門を230万ドルで買収)などがあるが、中でも日本の関係者が注目しているのは、FXCM社から2015年4月にFXCMジャパンを6220万ドル(約65億円)で、そして同年10月にFXCM香港社を3790万ドル(約40億円)で買収した楽天証券だ。

というのも楽天証券は、実は2016年10月19日に香港証券先物委員会から400万香港ドルの罰金支払いを命じられていたのである。

理由は「FXCM社が2006年12月から2010年12月までの間、個人顧客の注文をずらすなどして、合計145万2926ドル69セントの不当な利益を得た等の理由で命じた罰金400万香港ドルの支払いを、改めて楽天証券香港に支払うよう命じる」(香港証券先物委員会のアクションレポート他より)というものだった。

つまり、この罰金命令はもともとFXCM社に向けて出されたものであり、2015年に同社を買収した楽天証券香港にはまったく無関係なのだが、金融市場では、こうした例がままある。特に「個人顧客の取り扱いに違反があった」(同委員会ノートより)場合は、一般の投資家が考える以上に長期間にわたって、賠償責任を問われるケースが多く、それを買収した会社にまで求めるという例もまた、少なくない。となれば今回のように、FXCM社の実態が暴露されてしまうと、これまで何も言わなかった個人投資家まで声を出してくる可能性もあり、その点、楽天証券香港だけでなく、IGグループやAS Expobank社も今は、眉をひそめているに違いない。

FXCM社、過去の処分の罰金総額は2240万ドル

今回のNFAによる処分を契機に欧米マスコミで報じられたFXCM社のニュースを見ると、同社は実は2011年から2017年の6年間に、4か国の規制当局から7回の処分を受けており、罰金総額も2240万ドルに上ることが、改めて明らかになっている。

すでに撤退しているが、日本のFXCMジャパンで「システム管理・運用の不十分」という理由で処分(2013年3月)された時には、罰金も1200万円とわずかなものだったが、米国(2011年8月)、英国(2014年2月)で処分された時には、罰金もそれぞれ1620万ドル(約18億円)、1690万ドル(約18億円)と莫大な金額に上った。理由は、今回の処分理由に近い「非対称スリッページ処分」だった。つまり、今回は明らかに「常習犯」とみなされ、米国での営業そのものも停止させられたことになる。そんなFXCM社から、その資産を買収した会社は今後、こうしたFXCM社の過去の行状を背負いながら経営していくことになるわけで、仮に過去の遺産であっても、改めて苦情がでてくれば、それなりの対応が求められることは間違いないだろう。

Gain Capital社、FXCM社の米国顧客移管口座に
最大$500を支払うことでトラブル回避

ちなみに、FXCM社の米国顧客口座を買収することで合意しているGain Capital Holding社は、FXCM社との顧客口座移管後153日以内に新たに同社で取引をした顧客に最大$500を支払うことが2月10日、米証券取引委員会(SEC)のレポートで分かった。具体的には、153日以内の当初76日までに1回売買すれば$500、その後153日までの取引にも$250が支払われるという。

Gain Capital社の場合、すでにFXCM社の過去の行状が明らかになっている上での継承なので、新たに同社で取引する顧客は、仮に以前のFXCM社の行状に不服があっても、その苦情をGain Capital社に申し立てることはできない。だが、苦情はどこから出てくるか分からない。しかし、顧客が自らの意思で同社の新たな口座で取引すれば、過去の取引と同社とは無関係と言うことができる。今回の$500は、そのための保険金といっていいのかもしれない。

<益永 研>

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