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【株式会社東京金融取引所】突撃取材!「東京金融取引所社長記者会見」潜入レポート


2018年4月26日(木)15時30分から、東京駅北口からすぐにある鉄鋼ビル8階の東京金融取引所で、太田省三代表取締役社長の懇親会を兼ねた記者会見が開かれた。日銀金融記者クラブや兜倶楽部会員のほかに、FXやCFDなどに関連の深いメディアから記者が参加した。会場となった会議室の広報にはコーヒーや水が用意されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年度の決算は1億600万円の黒字だったが……

定刻の15時30分に現れた太田社長は、2017年度の決算について話を始めた。それによると、2018年3月末の決算数字は、営業利益が5500万円の赤字で、経常利益は1億9500万円の黒字、当期純利益は1億600万円の黒字と、2016年度と比較するとかなり厳しい筋となった。
事業別に見ていくと、金利の部門では、「ユーロ/円」金利先物が2008年のリーマンショック以来、8期連続の赤字であった。これは日銀のイールドカーブコントロールで金利がマイナス圏で、短期金利が動かないことで極限まで減少している。前期比30%減の取引数量であった。

 

 

「米ドル/円」のボラティリティの異常な低さ

その赤字を、FXや株価指数の事業で埋めているのが実態だが、為替でいえば、2017年度は、「米ドル/円」でいうと、ボラティリティが極端に低かった。2017年の4月から9月は、「米ドル/円」のレンジは7.2円だった。ところが、2016年度は通念で19.6円だった。

しかも、2017年度の通念でも10.2円であった。したがって、2017年度のボラティリティは、2016年度の半分で、取引数量は、2016年度と比べると、26.6%の減であった。
2016年度と比べ絵2017年度の業績が下がったのは、金利先物取引と「くりっく365」の取引数量が減少したことが大きな要因といえる。

 

 

「くりっく株365」は40%以上の増加

一方、「くりっく株365」は、2018年1月26日にダウの指数が2万600ドルを超えたこともあり、世界的な株高になったが、年度後半ではあまりにも投資家の買いが異常に膨れた結果、売りと買いのスプレッドが現物市場でも価格乖離が発生したが、2017年度全体では取引量は前年度比40%を上回る増加となった。

「米ドル/円」は円安進行

次に太田社長は、2018年度の市場環境と取引の見通しへ、話題を転じた。
まず、為替証拠金取引については、アメリカの保護主義や地政学リスクによる一時的な円高も考えられるが、基調としては、アメリカをはじめとする世界経済の好調さや、金融政策の正常化、日銀が金緩和政策を継続している限りは、内外の金利差の拡大は続くことから、円安進行が予想されると述べた。事実、「米ドル/円」は109円台の円安になっている。しかし、「くりっく365」の取引数量については、円安進行というよりもボラティリティが問題で、2017年度は「米ドル/円」の変動幅が小さかったことなどから取引が低調であったが2018年度は、直近3カ年の平均取引数量を踏まえ、2017年度予算と同程度を見込んでいる、という。

取引数量は低調か?

「くりっく株365」については、内外経済の好調が予想されるが、米国金利の上昇など景気の先行きを疑問視する見方もある。「くりっく365」は、2017年後半以降、スプレッドが拡大し、現物市場との価格乖離が生じて、足下の取引数量は減少している。2018年度の取引数量は、現状を踏まえてみると、低調な見込みとしている。
金利先物については、アメリカやEUの金融政策が正常化に向かう一方で、日銀の超金融緩和政策の維持を言明していることから、国内短期金利は、極めて低位で推移すると予想されることから、金利先物取引数量は、引き続き低水準になると、見込んでいるという。
本来、このような8期連続の赤字部門は、私的取引所であればとっくの昔に廃止処分にされるところだが、公的取引所という立場から、いつ何時金利先物取引が活発化するかはわからない。そうしたときのために、赤字が続いているが、公的取引所としては歯を食いしばってシステムの維持を行っている、という。

2018年度の基本方針

そこで、次に、2018年度の基本方針に話はうつった。FXや株価指数などの証拠金取引については、まず、「くりっく365」は、広く香港や台湾など海外の投資家の獲得に務めるなどのプロモーモーションを推進し、取引数量の確保に努めるという。一方、「くりっく株365」は、マーケットメーカーによる流動性の確保などによって、取引数量の回復を図ることにしている。
金利先物取引は、海外投資家の取引推進を図り、可能な限りの取引確保に努める。
システムだが、コスト削減と利便性の向上を実現する次世代金利・証拠金システムの開発を着実に推進する。また、Fintech活用のためのIT基盤の整備、検討を行う。

では具体的にはどうするのか。

具体的な方策

証拠金取引では、先にも述べたが台湾や香港など海外の投資家を獲得するために、プロモーションを拡充し、「くりっく株365」は、現在の2社のマーケットメーカーの数を増やして流動性の確保に努め、商品性の変更も検討する。さらに、懸案となっていた金・原油ETFを原資産とする新商品の上場準備を進めていく。

ETFについては投資家からの関心や期待も高く、来年度の大地四半期での上場を目指している。また、OTCFXのクリアリングビジネスへの参入も引き続き、検討を進めていく。
金利先物取引については、パック・バンドル取引などを活用した、海外投資家の取引を推進するよう努める。

システムについては、金利先物取引と証拠金取引のシステムを統合して新しいシステムの開発と着実な推進を図り、2019年度の4月から5月にかけて、新システムの導入を目指している。また、ビッグデータの活用のための基盤整備と、AIなどの活用も検討していく、と今年度の具体策について、太田社長は述べた。

仮想通貨に質問が集中!

次に質疑応答にうつった。記者の関心が高かったのは、仮想通貨についてであった。昨年12月の社長記者会見で太田社長は、仮想通貨に関する研究会を社内に立ち上げると明言したが、それを受けて、これまで何度、研究会を開催したかと問われたが、太田社長は、2月と4月にそれぞれ開催したと答えた。

仮想通貨については、投機市場になっており、今後、仮想通貨が日本の社会、あるいは国際社会でどのように根付いていくのか、がまず先にあり、その結果として、法的な整備が行われ、社会的な要請があれば、東京金融取引所としても、仮想通貨の上場も視野に入れて考えなければならないと思っている、と述べた。

次に、コインチェック事件があって、投資家も仮想通貨への投資も慎重になってきており、再び仮想通貨からFXに戻ってきているというような感触はあるのか、という質問に、太田社長は、東京金融取引所としてはそんな感覚はないといい、一部、報道では、あるOTC取引の会社は、仮想通貨の取引からFXの取引へ投資家が戻ってきたことによって利益が増えたという報道があったがと述べて、仮想通貨とOTCのFXの取引は似ている部分があるのではないか、と話を始めた。
仮想通貨は投機マーケットになっている。そして、取引所の証拠金マーケットは、東京金融取引所が取引の相手方になるのではなくて、マーケットメーカーと投資家が突き合わせをするわけである。ところが、OTCのFX取引の場合は、業者が相手側となる。しかも、どれだけの注文数があるのを業者はすべて知っている。仮想通貨の取引も取引所が相手方となる。だから、仮想通貨とOTCのFXのマーケットは似ているし、FXのマーケットが最初にスタートしたときの状況と、今の仮想通貨の状況は似ていると思う、と述べた。

FXがスタートしたときは、証拠金が返ってこないとか、レバレッジも何百倍が当たり前だったし、業界を監督する機関もなかった。そこで、FXを先物取引と位置づけて、金融庁が監督官庁になり、規制をして今のFX取引市場になっている。
ただ違うところは、FXは米ドルとかポンドとか、実体の評価があるが、仮想通貨は、何百種類もあるが、価値の裏づけがなくて、ただ、需給で動いているのではないか、と思うと述べた。
次に、仮想通貨研究会ではどんなことが話されているか、という質問に対して、太田社長は、「記者の皆さんが期待するような話はでてませんよ」と牽制をいれながら、過去2回行われた研究会では、本当に基本的なことが話し合われているといって、「通貨とは何か?」「ブロックチェーンとどんな関係にあるのか?」といったことが話し合われたと、答えた。

質疑応答も尽きて、記者会見は16時30分過ぎには終了した。

<辻 秀雄>

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