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【株式会社マネースクウェア・ジャパン】「米長期金利低下=米ドル安・円高」の影の主役はユーロ高、ただ長くは続かない?!

提供:株式会社マネースクウェア・ジャパン


要約

・米長期金利上げ渋りの中、米ドル/円も111円割れ。ただIMF「米ドル過大評価」見解の影響は別?
・「ユーロ高→独株安→独長期金利低下→米長期金利低下→米ドル安・円高」の持続力にも自ずと限界?!

米ドル/円が111円割れ、今後の行方は?

米ドル/円は先週続落し、111円割れとなりました。米ドル/円は相変わらず、日米長期金利(10年債利回り)差との高い相関関係が続いたので、その意味では米ドル/円が続落したのは、米長期金利が週末にかけて低下再燃となった影響が大きかったでしょう≪資料1参照≫。

資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年9月-)

資料1=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年9月-)

出所:トムソン・ロイターより作成

ところで、先週金曜日には、IMFが米ドルは過大評価されているとの見解を発表しました。週末にかけて、米ドルが下落を広げたのは、上述のように相関性の高い米長期金利が低下したこととともに、このIMF報道に反応した面もあったのではないでしょうか。

IMFは28日公表した年次「対外セクター報告書」で、「ドルは米経済の短期的なファンダメンタルズに基づくと、10─20%過大評価されている」との認識を示しました。これは、米ドルの総合力を示す実効相場の5年MA(移動平均線)からのかい離率が示す結果ともおおむね符合します≪資料2参照≫。

資料2=米ドル実効相場の5年MAからのかい離率(1990年-)

資料2=米ドル実効相場の5年MAからのかい離率(1990年-)

出所:トムソン・ロイターより作成

ただし、この「米ドルの過大評価」ということが、米ドル安・円高を示唆するかといえば、それは違うかもしれません。IMF報告では、「円は、2016年の値上がりを受けて、ファンダメンタルズに総じて整合する」との見解となっており、「米ドルの過大評価=行き過ぎた米ドル高・円安」といった考え方では必ずしもなさそうです。

それにしても、「円は、2016年の値上がりを受けて、ファンダメンタルズに総じて整合する」というIMFの見方は、果たして鵜呑みにできるのでしょうか。

日米の購買力平価は、生産者物価基準が足元で97円程度、一方消費者物価基準は124円程度です≪資料3参照≫。近年の米ドル/円は、生産者物価基準と消費者物価基準の購買力平価をそれぞれ上下限としたレンジ中心の推移となってきました。

資料3=米ドル/円と日米購買力平価(1990年-)

資料3=米ドル/円と日米購買力平価(1990年-)

出所:トムソン・ロイターより作成

これを前提にすると、「円は、2016年の値上がりを受けて、ファンダメンタルズに総じて整合する」といったIMF見解は、2016年6月にいわゆるBrexitで100円割れとなったものの、足元で生産者物価基準と消費者物価基準の購買力平価のほぼ中間点に近い水準で推移している米ドル/円の解説とおおむね符合するといえそうです。

もちろん、米ドル/円と日米長期金利差との高い相関関係からすると、IMF見解とは別に米長期金利のさらなる低下があるなら、米ドル/円は続落する可能性があるでしょう。ではそれはあるのでしょうか?

米長期金利が7月にかけて急騰したのは、欧州主導で世界的な長期金利急騰が起こったことへ連動した面が大きかったでしょう。そんな世界的長期金利急騰が一息ついた中で、米長期金利も先週は上昇の一休みが続いたと考えられます。

それにしても、そんな世界的な長期金利急騰を先週一服させた主因は、ユーロ高に伴う独株価の下落、それが独長期金利上昇を足踏みさせた影響が大きかったということではないかと私は考えています。

そういった考え方からすると、鍵はユーロ高が続くかということになるでしょう。そのユーロ高は、対米ドルでは目先的に行き過ぎ懸念も強くなってきました≪資料4参照≫。以上のように見ると「ユーロ高→独株安→独長期金利低下→米長期金利低下→米ドル安・円高」の持続力にも自ずと限界があるのではないでしょうか?(了)

資料4=ユーロ/米ドルの120日MAからのかい離率 (2010年1月-)

資料4=ユーロ/米ドルの120日MAからのかい離率 (2010年1月-)

出所:トムソン・ロイターより作成

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