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【株式会社アイネット証券】経済アナリスト・雨夜恒一郎氏の「先人に学ぶFXのいろは。ファンダメンタルズで大局をつかむ」セミナーに潜入


アイネット証券セミナー受付

受付を務める高田結香さん

2017年5月26日(金)19時から、東京・八重洲のパシフィックセンチュリープレイス丸の内の27階で、株式会社アイネット証券【関東財務局長(金商)第11号】主催によるセミナーが開催された。講師は、「マーケットの語り部」といわれる金融アナリストの雨夜恒一郎氏。雨夜氏にとって、アイネット証券でのセミナー講師は初めてになる。あいにくの雨の日にもかかわらず、30名近くが会場につめかけた。今回のセミナーのテーマは、「先人に学ぶFXのいろは。ファンダメンタルズで大局をつかむ」である。

強気相場での押し目買い、弱気相場での戻り売りが有効

雨夜氏は最初に、「初心者が勝率を高めるための基本」について述べる。

強気相場での押し目買いや、弱気相場での戻り売りが大きく間違いを犯さない基本的なアプローチです。というのは、よくあるのが、強気の相場で逆張りで売りを仕掛ける、あるいは弱気相場で下落しているのに、そこで買いから入る方がおられますが、これは一般大衆の逆をいくことになりますから、これには経験や勘が必要となってきます。これは上級者のやり方であって、初級者の方がうかつにこういうやり方をすると、損失を食らってしまう。ある程度相場が過熱しているとか、行き過ぎているとかが肌感覚でわかるようになっている人でないと、強気相場で売り、弱気相場で買いの逆張りは、私はあまりやるべきではないと思います」

さらに続ける。

雨夜恒一郎氏

雨夜恒一郎氏

「よくあるのが、前回の高値を抜いたとき、新値を突破したときに、そこで買いで追随するという、あるいは下落局面で前回安値を更新した時に、売りで入るというのは、一見、勢いがついていますから、有効のように思われるのですが、現在の相場ではみんなこういうポイントを見つめていますので、みんなが見ているポイントなんですね。瞬間的に、ワーッと参入して、ワーッと抜けていくボラティリティに巻き込まれる、乱高下して、結局、上手くいかないというのが今は多いですね。昔は、新値を突破したところで買えば、だいたいいくらか利益を得ることが多かったのですが、最近は恐らく、上手くいかない方のほうが多いと思います。それに、せっかく高値を抜いて上手く参入したつもりでも、超高速取引をやっている人たちが上前をはねていってしまうので、入ったつもりが、スリッページでえらく悪いポジションになってしまっていることも、大にしてあります。ですから、みんなが注目しているポイントで入ろうとしても、なかなか上手くいきません」

といって、「ユーロ/米ドル」の日足のチャートや、「米ドル/円」の日足のチャートを表示して、強気相場での押し目買いのポイントや、弱気相場での戻り売りのポイントを指摘する。

強気相場・弱気相場を見抜くには、「大局観」が必要

買いか、売りかを決めるには、つまり、今は強気相場や弱気相場かどちらかであるかを見抜くには、「大局観」が必要だといって、雨夜氏は、「大局観」があれば、自信をもってトレードができると断言する。

雨夜恒一郎氏その大局を決めるのは、ファンダメンタルズ。たとえば、「米ドル/円」の場合は、米国のファンダメンタルズが良ければ、金利が上昇して、米ドル高になる。逆に、ファンダメンタルズが悪ければ、金利が低下して、米ドル安になる。そして、「米ドル/円」の場合、特別な時を除いて、日本の経済指標は気にする必要はなく、米国の経済指標を中心に見ていくことが重要であるという。

さらに大事なことは、今、マーケットが何に関心を持っているかをつかむことだという。今、市場が関心を持っているのは、アメリカの利上げのペース。利上げのペースが市場の期待を上回ってくれば、米ドル高で、市場の期待を下回れば、米ドル安になる。

では、大局観をどうつくったらいいのか。雨夜氏ははこう指摘する。

「まず、FOMC声明とFedWatchで市場の流れを推計し、その推計したものを雇用統計でアップデートして、大局観をつくっていく

FOMCとは何か?

FOMCとは、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が年8回、開催する金融政策決定会合のことで、連邦公開市場委員会と称される。会議での政策の決定は、12名の多数決によって決められる。現在のFOMCのメンバーは、FRBの議長であるジャネット・イエレン委員長、ニューヨーク連銀総裁のウィリアム・ダドリー副委員長、ラエル・ブレイナード、ジェローム・パウエル、シカゴ連銀総裁のチャールズ・エバンス、FRB副議長のスタンレー・フィッシャー、フィラデルフィア連銀総裁のパトリック・ハーカー、ダラス連銀総裁のロバート・カプラン、ミネアポリス連銀総裁のニール・カシュカリが投票権を持っている。現在、FRBの理事は3人欠員状態である。

FOMC声明は、FOMC会合の終了後に発表される。そして、約3週間後には詳細な議事録が公表される。3月、6月、9月、12月には、議長会見と質疑応答がセットされているし、重要な政策の変更は、3月、6月、9月、12月に行われるのが常である。さらに、その月には、メンバーの経済・金利見通しが補足事項として発表されるが、これも重要である。

FOMC声明は、原文は英語だが、心配する必要はない。「FOMC声明全文 ロイター 日付」と検索用語を入れてインターネットで検索すれば、日本語で訳されたFOMCの声明文が表示される。FOMCの声明文さえ読んでおけば、アメリカの経済が今どんな状況に直面しているのかが、よくわかる。

雨夜恒一郎氏FOMC声明文の読み方だが、これは書かれる項目が決まっている。まず最初にくるのが、「景気、雇用、インフレの現状評価」である。そして、次にくるのが、「景気、雇用、インフレの予測」である。それから、「今回の会合決定した金融政策の内容」がくる。それから次に、「今後の金融政策予測(ガイダンス)」である。これは、FRBが今後どんな政策を実行していくかが述べられているので、非常に重要な部分である。ですから、文章の”てにをは”の違いなども細かくチェックする必要がある。そして、「具体的な行動(公開市場操作)」がきて、最後に、決定した金融政策に誰が賛成したか、反対したのかが述べられている。

3月15日のFOMC声明では、FF金利の誘導目標を0.75%から1.00%に引き上げることを決定し、経済状況はFF金利の緩やかな引き上げを正当化するかたちで進むと予測した。この「緩やかな引き上げ」が意味するところは、「0.25%ずつ、3カ月ごとに引き上げる」ということである。

ドットチャートでFOMCメンバーの考えをつかむ

では、FOMCのメンバーが、米国の金利がどのようなるのがいいかと思っているかを確認するには、「Dot Plot」、いわゆるドットチャートなるものが参照となる。

これは、3月のFOMC会合の後に発表されたFRBの経済予測資料のなかであったものだが、たとえば、2017年のところでは、2017年の年末までに、金利が何パーセントになっているのがいいのかということで、FOMCのメンバーが投票した内容を示したものである。ひとつの点がひとりを指す。そうすると、1.25%~1.50%の間が望ましいと投票したメンバーが9人ということになる。つまり、FOMCの大半のメンバーは、政策金利は2017年末には、1.25%~1.50%の間にすることを考えているということである。

「FedWatch」で市場の声を聞く

金利についてはもうひとつ、市場関係者がどう見ているか、というのも為替相場を予測するうえでは、大事な要素である。それを見るのが、「FedWach」である。

上記の図表は、6月のFOMC会合で金利が1.00%~1.25%に利上げすると見ている市場関係者が83.1%もいることを示している。これは、FF金利先物という取引があるが、その取引においてすでに、利上げが織り込まれていることを意味していることがわかる。

そのため、相場の見方としては、すでに米国の利上げについては織り込み済みとなっていると判断できるので、「米ドル/円」はそんなに上昇はしないのではないか、という見方ができる。

雇用統計に注目するのはなぜか?

次に、なぜ、誰もが雇用統計に注目するのかといえば、米国ではもっとも早く発表されるハードデータであり、FRBの2つの責務である雇用の最大化と物価の安定を表すもので、金融政策にもっとも大きな影響を及ぼすからである。さらにジャネット・イエレン議長が強い関心を抱いているからでもある。

雇用については、失業率は5%をすでに下回っていることから、もはや完全雇用といっても間違いではない。そこで、重要になってくるのが、雇用統計のなかでも、賃金の動向である。統計を見ると、賃金の動向の伸びは2%台で、ここ数カ月は同じ2%台でも、下落気味であることを考えると、パートタイム労働者が増えていると考えられる。事実、2016年12月から4月までの数字と見ると、パートタイム労働者は増加傾向にある。

イエレン・ダッシュボードにも注目

総米国の金利や雇用統計などを解説しながら、「求人労働異動調査」にも、目を配っていく必要があると指摘する。それは、「イエレン・ダッシュボード」という存在があるからだ。①非農業部門雇用者数(NFP)、②失業率、③労働参加率、④長期失業者の割合、⑤不完全雇用率(U-6)と以上が、雇用統計に現れている指標で、⑥求人票、⑦採用率、⑧自主退職率、⑨レイオフ・解雇率と、以上が求人労働異動調査に現れている指標だが、これらを合わせたものを「イエレン・ダッシュボード」と呼んでいる。それらの項目の最新の数字を、リーマンショック前の2004年から2007年の平均した数字とを比較して、イエレン・ダッシュボードでは、○と●で状況を判断している。

大局観としては、米ドルは弱気

雨夜氏は、そうやっていろいろなデータの解説をしながら、結論としての大局観をこう述べる。「FOMC声明では、利上げのペースは緩やかで、FedWatchを見れば、6月利上げは織り込み済みで、今年の利上げはあと1回から2回、そして、賃金は伸び悩み、インフレの心配はない、ということを考えて、大局観にまとめると、米ドルは弱気という結論になる」と言い切った。

その後、金融・財政のポリシーミックスでは、図を示しながら、金融引き締めで財政緩和の場合は、通貨が上昇し、金融引き締めで財政も引き締めなら、通貨は急騰する、さらに、財政緩和で金融緩和なら、通貨は急落するし、金融緩和で財政引き締めなら、通貨は下落すると解説。さらに、リスクオンやリスクオフの説明をしたあと、相場は、金利と株価で立ち位置が決まるということで、現在の相場は、「米ドル/円」は強気から、弱気の流れにむかっているのではないか、と締めくくった。

そして、今回のセミナーのまとめとして、次の点を挙げた。

①FOMC声明でFedの意図を理解する。
②FedWatchで、市場の見方を理解する。
③雇用統計でアップデートし、大局観を固める。
④ポリシーミックスの変化を意識する。
⑤リスクオン・リスクオフで立ち位置を確認する。

セミナー風景

セミナー風景

<辻 秀雄>

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