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【株式会社アイネット証券】FX湘南投資グループ代表の野村雅道の「デイトレも長期為替も貿易収支から」セミナーに潜入


2017年6月15日(木)19時から、パシフィックセンチュリープレイス丸の内27階のセミナールームで、株式会社アイネット証券【関東財務局長(金商)第11号】主催のFXセミナーが開催された。テーマは、「デイトレも長期為替も貿易収支から」というもので、講師は、中京大学講師で、FX湘南投資グループ代表の野村雅道氏。参加者は25名前後だった。

FX湘南投資グループ代表の野村雅道氏

2017年の最強通貨は南アランド

野村さんは冒頭でセミナー参加者にこう問いかける。

「今年(2017年)のもっとも強い通貨と弱い通貨は何だと思いますか?」

しかし、会場はしーんとしたままだ。そこで、野村さんは正解をいう。

「最強の通貨は意外だと思われるかも知れませんが、南アランドです。それは、昨年(2016年)もそうでした。南アフリカはズマ大統領が国民の信望が厚い財務大臣を更迭し、多くの大臣や副大臣を辞めさせたため、政情不安が続き、さらに、景気も後退している。それでも、一番強い通貨は南アランドです。逆に、もっとも弱い通貨は、米ドルとトルコリラです。トルコリラはGDPが5%と成長過程にあるにもかかわらず、やはり、弱い通貨といって間違いありません」

と野村さんは前置きをして、こう続ける。

「よく、テレビなどでエコノミストが為替について話をするのを視る機会がありますが、彼らがファンダメンタルズがどうのこうのは聞いてもいいが、為替相場についての意見は聞く必要なない。なぜなら、彼らの8割から9割は為替取引をやったことがない人たちだからです。ファンダメンタルズ通りに相場が動くことはあまりありません」

為替相場をつくるのは、輸出入の実需

そういって野村さんは、明治からの「米ドル/円」のチャートを表示した。

「1871年(明治4年)から為替始まり、1米ドル1円からスタートした。戦前は、貿易赤字で、ドル高円安が続き、1米ドルが4円までいった。何しろ、当時の輸出産品は生糸ぐらいしかなかった。しかも、非常に価格が低かったから、貿易赤字になった。戦後は、1米ドル360円からスタートし、2011年の東北大震災の年には1米ドル75円をつけた。日本は、1907年代から貿易黒字になり、為替は円高ドル安になった。このように、為替の変動に大きくな影響を与えているのは、貿易収支であり、輸出入の実需が相場をつくっているといっても過言ではない。為替と株式の大きな違いは、実需があるかないかだ。株式はその日のうちに買ったり、売ったりしなければならないということはない。しかし、為替の場合は、ある一定の人たちはその日のうちに円を米ドルに変えたり、米ドルを円に換えたりする必要がある。そうした需給が為替相場の変動に大きな影響を与えるのだ」

仲値に向かって、米ドル高になる

為替相場には、毎日、仲値が決まる。午前9時55分には仲値が発表される。仲値とは「銀行などの金融機関が顧客との外国通貨(外貨)取引の際の基準レートのことです。刻一刻と動く為替レートを、取引のたびに銀行に問い合わせていては大変なので、どこかのタイミングでその日の取引レートを決めてしまおうということで仲値という制度ができました。この仲値が決まる時間が、日本時間の9時55分です。外国為替市場(インターバンク市場)の取引レートを基準にして金融機関ごとに決定されますが、三菱東京UFJ銀行のレートが主な基準をなっているようです」(https://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/middle-rate/より引用)。

一般に、輸入業者の場合はその70%、輸出業者の場合はその50%が米ドル建ての取引である。なぜ、輸入業者が70%なのかといえば、輸入のほとんどは原油で、米ドルで支払わなければならないからだ。そして、輸入業者が外貨(米ドル)を調達するのは、朝に集中する。そういうこともあって、「米ドル/円」は、9時55分の仲値発表に向かって、ドル高円安になっていく傾向が強い。一方、輸出の場合は、送金されてくる時間帯がまちまちなので、五十日などの決められた日に、米ドルを円に換えることが多い。そして、野村さんは、東京市場とニューヨーク市場の違いについて触れた。

東京市場とニューヨーク市場の違い

「ニューヨーク市場で取引をする人は、極端にいうと、全員が投機筋といっていい。実需はいない。東京市場はどちらかというと、全員が実需だ。全員実需だと怖いのは、米ドルを買った人はそれを売り払う必要はないし、米ドルを売った人はそれを買い戻す必要もないから、ずっと市場にゆがみとして残っているから、効いてくると思います。ニューヨーク市場でほとんど実需がないのは、米ドルが基軸通貨だからです。ニューヨークと東京と取引と、ニューヨークとサンフランシスコの取引は、どちらも米ドル建ての取引になるから、違いはない。したがって、実需がニューヨーク市場に入る必要がない。ニューヨーク市場に入る人というのは、一発儲けてやろうかとか、胡散臭い人がたくさん入ってくる。しかし、ニューヨーク市場では重要な経済指標が発表されるし、噂も出ますし、それに早く乗ろうということが多いので、たとえば、失業率が悪くなったら、みんないっせいに米ドルを売ってくる。それに対して買いで対抗してくる人がいないので、相場が急に下落すしたり、その逆で、急騰した入りすることが多い。だから、静かに為替取引をやりたい方は東京市場でやったらいいし、激しいマーケットを体験したければ、ニューヨーク市場で取引をすれば、いいんじゃないでしょうか」

アベノミクスが円安を招いたわけではない

FX湘南投資グループ代表の野村雅道氏

そして、野村さんは持論を述べる。

「私の持論ですが、日銀に黒田総裁が就任してから、2013年に円安になったのは、アベノミクスのせいではないと、思っています。一番の功績者は菅直人さんですね。日本は貿易黒字が当たり前の国でした。20世紀はずっと貿易黒字だったし、21世紀も貿易黒字で始まった。2011年から急に貿易赤字になった。東日本大震災が起きて、当時、総理大臣であった菅直人が原発をすべてストップさせてしまった。そのため、原油を輸入しなければならなくなったが、その時に原油高になったので、輸入が増えてしまった。そして、日本は2011年から2015年まで貿易赤字国になった。2011年に「米ドル/円」は75円になったが、その後、2015年には125円という高値までいった。これは、貿易赤字が増えてきたので、どんどん円安になったわけです。従って、円安になったので、景気がよくなったのだと思います。

ただ、私がちょっとおかしいなと思ったのは、2015年からなんです。輸出の伸びが増えてきて、輸入が減ってきた。原油が1バーレル100ドル近くまでいっていたのが、どんどん下落し、原油高から原油安になってきたことと、原発の再稼働で原油の輸入量も減ってきて、貿易赤字が縮小してきたの。そして、本当に貿易黒字になったのは、2016年でした。円高が進みました。

2016年に最悪なことが起きたのは、日銀の黒田総裁のマイナス金利の導入です。その時、本とどの人は円安になるといったのですが、私は円高になると、その当時のブログで書いています。金利を安くして、日本はどんどんお金を借りて何かをやる国かというとそうではありません。今や日本は預金のほうが多くて、借り入れが少ない国ですから、金利を下げるということは、人々を苦しめているわけです。可処分所得が減ってしまうことになるので、消費が減少し、輸入が減る。投資が少なくて、貯蓄が多いと、経常黒字が増え、貿易黒字になっている。アメリカは逆に、投資ばかりを行って、貯蓄をしないので貿易赤字になる。ドイツも貯蓄ばかりしているので、貿易黒字になる。

アベノミクスは株には効いたかも知れないが、株は毎日介入をしている。為替も昔はよく介入していたが、今は、G20でかい入金指令みたいなものが出されているので、介入はできない。株と債券は、日銀が一生懸命購入して、バランスシートを500兆円にしているが、為替に対しては何もできないので、まさしく貿易収支が反映される。

2017年に入って異変が起きたのは、今年も貿易黒字で円高だが、昨年の1月から4月までの貿易収支は、黒字が1兆1340億円だったのが、今年は8190億円で、黒字が減っているので、円高の度合いが少し減るのではないかと思っている」

4月から9月まえは円高傾向が強い

そして、野村さんはブログで、円高の夏とか、日本の夏といったことを書きまくっていると披露。
「日本というのは、4月と9月に米ドル売りが出ます。10月から翌年の1月ぐらいまでは、米ドル買いのほうが多くなります。だいたいそうで、とくに、8月は円高になることが多い。なぜ、4月から9月まで円高になるかというと、日本の会計年度でいうと上半期に当たる。輸出業者は4月から9月にかけて米ドルをほとんど売ります。たとえば、1年で100売らなければならないとしたら、80ぐらいは売ってしまいます。輸入業者は毎月、コンスタントに米ドルを買っていきます。そして、4月ぐらいに企業は想定レートを出しますから、輸出業者は円高になる前に、想定レートを超えている段階で米ドルを売ってと考えるわけです。なにもなければ、8月から9月に米ドル高のピークがきます。また、月末は、ドル売り円買いが起きやすい。といのは、輸出業者が関係各所に支払をすることが多いので、輸出で儲けた米ドルを売って、円に換えるからです」

とにかく、野村さんの為替取引の中心にあるのは、輸出入の実需であることを、何度も繰り返し、参加者に述べていた。ふだんのファンダメンタルズのセミナーでは、あまり貿易収支、実需の話は出ない。そういう意味では、非常に貴重なセミナーだったといっても過言ではない。

講師プロフィール

FX湘南投資グループ代表の野村雅道氏1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出、外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍される。財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ、ラジオ、新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表ならびに中京大学講師。

野村雅道のID為替研究所 (Day)
野村雅道のID為替 (レポート)

<辻 秀雄>

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