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【立花証券株式会社】元外資系銀行為替ディーラー高木泰一郎氏の「相場変動を予測し、利益を上げるテクニック」セミナーに潜入


2017年7月21日(金)17時30分から、東京・丸の内の鉄鋼ビル8階にある東京金融取引所のセミナールームで、立花証券株式会社【関東財務局長(金商)第110号】主催のセミナーが開催された。テーマは、「相場変動を予測し、利益を上げるテクニック」。講師は、元外資系銀行為替ディーラーの高木泰一郎氏。

高木泰一郎氏

講師の高木泰一郎氏

トレーディングの基本的なテクニック

高木氏はまず、「米ドル/円」の過去の推移(1985年~2017年)から話を始めた。相場に影響を与えたイベントの図を示しながら、「イベントのなかには発生が予想されるものと、できないものがありますが、予見可能な場合、イベントの前後の動きを利用して、利益獲得の機会とします。すなわち、市場参加者の思惑で事前に動く相場を利用すること、そして、イベント後に往々にして起きる反動を利用するのがトレーディングの基本的なテクニックです。イベントの日程をつかんでおき、それに向井相場参加者がどのようなポジションを構築しているか、新聞、TVのニュースなどで把握します。そのうえで、自分のトレーディングスタイルを『順張り、逆張り』、またはその組み合わせなのかを決めます」と述べる。

ボリンジャーバンドとMACD

高木泰一郎氏その後、ローソク足と移動平均線(5日線、25日線)、RSIと「米ドル/円」の推移、そして、ボリンジャーバンドの説明に移る。2016年4月から2017年7月までのチャートを示しながら、「ボリンジャーバンドは2σ(2標準偏差値)内に、為替レートが収まる確率は95%」である。続いて、MACDと「米ドル/円」の推移に移る。「MACDの見方は、MACDがシグナルを上から下へ突き抜けたときは、相場の弱気のサイン。下から上へ突き抜けたときは強気のサイン。移動平均線の短期と長期のように、クロスした場所をゴールデンクロス、デッドクロスとも呼ぶ」と解説。そして、次にテクニカルチャート比較、フィボナッチ・リトレースメントの説明に入る。

フィボナッチ・リトレースメント

「フィボナッチ理論は、相場は最近の最高値と最安値幅の一定割合戻すというものです。直近の最高値、最安値幅の38.2%、50%、61.8%戻すという法則です。これは、相場ではっきりとしたサポート、レジスタンスのレベルがつかみにくい時に、非常に有効なチャートです」といって、トランプ上げ相場に見るフィボナッチ・リトレースメントについて解説する。

「トランプが大統領に就任した後、『米ドル/円』相場は、112円から113円でうろうろしていたところ、相場参加者は方向感を失っていました。その時、注目を浴びたのが、フィボナッチ・リトレースメントでした。61.8%のレベルが115.72円でしたが、まもなくこのレベルに達しました。相場の方向感と次のターゲットレベルを把握するのに、非常に役に立ちました」

「トランプ上昇相場後に、下げ相場になり、下値を試す展開となりました。フィボナッチ・リトレースメントによる下値への戻しのターゲットは112.00円、半値戻しの110円。さらに、108.00円。それぞれのレベルが下値抵抗線となりました。とくに、108.00円は強い抵抗線となり、抜けることなく相場は反転しました。これらのレベルをポジションメイクもしくは手仕舞いの機会とすることも、ポジションの管理としては重要です。また、抜けたときは流れに乗ったポジションをつくることです。もしくは、損切りを行う判断材料として用いることも可能です」

ポジション管理手法

高木泰一郎氏講師の高木氏は次に、「ポジションの管理手法」の説明に移る。まず、利食いと損切りのテクニックについてだ。

「売りポジション(売り持ち、空売り)をつくった場合に、利食いは常に50銭の利益がでたところで行うが、損切りは1円逆に動いたところで行う方針としているとします。この場合、50銭の利益に対して1円の損が生じるので、勝てない勝負をしていることになります。損切りを簡単に行いたくないという心理は理解できますが、利食い幅よりも小幅な位置に損切りを入れないと、損失が積み上がる結果となります」

「相場が下落を始めても、買い値までは売りを持つことができると理論的に考えられますが、実際に、損切りレベルに相場が達したときに、機械的に損切りの売りを出すのは難しいものです。また、上昇するのではないかという期待に負けてしまうことが間々あります。よって、見通しと違った方向に相場が動きだしたときには、損切りラインまで達する前にポジションの手仕舞いを行うのが賢明かと思われます」

「相場が1円動くと読み、買い持ちポジションを取ったとします。多くの場合、この1円幅は、当日なりの最大幅のケースが多いので、予想値幅をすべて得ようとすると、途中で足をすくわれることが多い。それを避けるために、おしいと思うものの、予想最高値に達する前に、たとえば、60銭上昇したレベルで利食い売りを入れます。相場が反転する前に、利食いをすませてしまえば、最高値をつけた後に下落する相場の可能性を排除できます。これを繰り返すことにより、利益の積み増しを図るのです」

「上値抵抗線(レジスタンスライン)を超えた場合は、上方向にジャンプする可能性があるので、このレベルに損切り(ストップロス/逆指し値)の米ドル買い指し値注文を入れておくという、流に乗るポジションをつくる方法があります。しかし、相場がはねたときには、揺り戻しも考えられるので、自分の相場観に基づき、利食いのレベル(タイミング)を想定しておくことも大切です。とくに、夜間にこのタイプの注文を出す場合は、利食いの注文も同時に出しておくくらいの注意深さが必要だと考えます」

相関関係

次に、高木講師は、相関関係の話しに移る。

WTI原油と「米ドル/円」は、逆相関関係

まず、WTI原油と「米ドル/円」の相関関係だが、これは、逆相関関係にあるというのが定説となっている。WTI原油の価格は、日々変動するが、産油量の変化やOPECの政策などでごく短期ではないトレンドがでるので、相場を占う上では重要な指標である。

WTI原油と「ユーロ/米ドル」は、相関関係

「ユーロ/米ドル」とWTI原油には相関関係が強いので、WTI原油の動きから「ユーロ/米ドル」の行方を占うことができる。

WTI原油と「豪ドル/米ドル」は、相関関係

豪ドルとWTI原油には相関関係が見られる。WTI原油の価格変動の動向は、豪ドルの相場を占う重要な指標となる。

豪ドルと金は、相関関係

オーストラリアは金の産出国なので、豪ドルは金価格の影響を受ける。金価格の動向から豪ドルの方向性を占うことができる。豪ドル、NZドル、カナダドルなどはコモディティ通貨(資源国通貨)と呼ばれている。鉱物資源等を輸出している国のことである(NZは例外)。したがって、それらの通貨は原油価格や金価格に左右される。コモディティ価格の方向性を把握することにより、これらの通貨のトレーディングに役立てる。また、特徴として、インフレに強い通貨という性格も持つので、それを利用するという手段もある。

FED FUNDと「米ドル/円」は、逆相関関係

FED FUNDと「米ドル/円」は、逆相関関係にある。FED FUNDの上昇は将来の成長期待の抑制作用である。また、インフレ率の低下により、長期金利の上昇を妨げると考えられる。米国の長期金利が上昇しない(低下する)のであれば、ドル安材料になる。

米国10年国債金利と「米ドル/円」は、相関関係

米国10年国債金利と「米ドル/円」は、強い相関関係が見られるので、日々、この金利を追いかけていく必要がある。相場参加者が見ているのも米国10年国債金利である。現状、好調な米国景気から金利低下は考えにくいので、金利面からのドル安は考えにくい。しかし、何らかの理由で金利急騰から債券価格暴落という事態になれば、資金の逃避が起こる可能性は否定できない。ただし、米国2年国債金利と「米ドル/円」は、相関関係が見られたが、FRBがゼロ金利政策を採ったときに、2年国債金利と「米ドル/円」の相関関係は崩れたので、為替相場を負うときに、2年国債金利を参考にするのは、リスクを伴う。

2017年の10年国債金利と「米ドル/円」には、きれいな相関関係が見られる。今後もイベントがなければ、この関係は続くだろう。相場の攪乱要因としては、ユーロ圏の金利変動と、米国の出口戦略による金利変動の可能性である。欧州の金利が上昇すれば、米ドル高は是正されると考えがちだが、出口戦略から米国の金利が上昇する可能性もあり、どちらの力が勝っているかを今から予想するのは困難である。明確な根拠がない限り、他の参加者より先に動くのは危険が大きい。とりあえずは、相場の動向をつかんでから、動いても遅過ぎはしないのではないだろうか。

VIX指数(恐怖指数)と「米ドル/円」は、逆相関関係

VIX指数(恐怖指数)と「米ドル/円」は逆相関関係にある。VIX指数は通常10~20(リーマンショック後は15~25)の間で推移するとされ、数値が高いほど米国株式マーケットが不安定(投資家心理が不安)になってきているととらえられる。指数上昇時は、ドル安・円高になる傾向があるので、相場を占う先行指標として用いることがある。

このほか、見ておくべき指数としては、「BIS米国実質実効為替レート」や、「FRB主要通貨米ドルインデックス」「ICE米ドルインデックス」を、講師の高木氏はあげる。そして、最後に、高木講師はこう強調する。「自分のルールに従ったトレードをすることが、もっとも大事である」と。

<辻 秀雄>