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【イプソス株式会社】「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」セミナーに潜入


司会進行役の岡本しおんさん

2017年10月18日(水)14時15分から、東京・日本橋のベルサール東京日本橋5階のROOM11で、「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」と題するセミナーが開催された。主催したのは、イプソス株式会社

あまり慣れない企業だと思われるかもしれないが、イプソスは、世界第3位のグローバル・マーケティング・リサーチ会社で、パリに本社を構え、世界88カ国でリサーチ・サービスを提供している。社員数は1万6000人。創業以来40年以上にわたり、リサーチ・プロフェッショナルによる経営を守り続けている。セミナーの参加者数は約50名ほどであった。

セミナーの開催に当たって、代表取締役の内田俊一氏より、自社の紹介も兼ねて、今回のセミナーを開催するに当たっての挨拶があった。

イプソス株式会社 代表取締役 内田俊一氏

第一部「金融サービスの潮流とこれからのCXマネジメント」

プログラムの第一部は、イプソスの金融サービス部門の国際的な責任者のTony Smith氏。Tony Smith氏は、英ロイズバンクでキャリアをスタートし、Gfk, TNSを経てシノベイト(現イプソス)に入社。イギリスとニューヨークにて金融業界に対する市場調査業務にあたってきた。現在はイプソスでファイナンシャルサービスのグローバルヘッドを務めている。

カスタマーエキスペリエンスマネジメントやブランド構築などを通じて、クライアントのビジネス改善のための方策を理解する手助けを行ってきた。ワークショップやクライアントに対するトレーニングを数多く開催し、また世界各国で寄稿やコンファレンス登壇などを行っている。常に変化を続ける金融業界においてエンドユーザーのニーズと期待の変化を理解し、対応していくサポートをミッションとしている。

テクノロジーによる機能面の充実とエモーションが大事

Tony Smith氏

まず、Tony Smith氏は、金融サービスに影響を及ぼす大きな変化の波について説明した。経済、テクノロジー、社会経済、消費者のマインドセットの4分野でのそれぞれの波についての解説である。たとえば、経済の大きな変化の波には、経済発展とその後の不況(例:BRICS、MINT、PIGS)、BREXIT(英国のEU離脱)、ポピュリズムの台頭、断続的な停滞と回復、規制とコンプライアンスの拡大、経費節減、都市化と郊外化である。

そして、「消費者が日常生活にテクノロジーを取り込んでいることが、ファイナンシャルサービスの進化を促している。金融機関はこれをどのように利用すればよいだろうか?」と、問題提議を投げかける。まず、指摘するのは、モバイルの驚異的な普及によって、消費行動が以前とはまったく変わってきていることだ。たとえば、どんな金融商品があるのかを調べるのは、銀行の支店に行ったり、電話をかけるのではなく、モバイルで検索することが多いし、金融商品をモバイル経由で購入するケースが増えているのだ。

そのため、従来の金融ビジネスと競合する新しい金融ビジネスがどんどん増えてきている。たとえば、テンセントのWeChatは、すべての金融サービスを一体でこなせるアプリで、月間で6億人のユーザーがおり、毎日、ユーザーの55%が1日に10回もアプリを利用している、という結果がでている。

このような新しい金融ビジネスの台頭は、「これは、私たちが 知っている銀行サービスがなくなる前触れのだろうか?」という問いかけに、「そうとも言えるし、でないそうとも言える」とTony Smith氏は答えを曖昧にする。

そこで、イプソスでは、「間近に迫るバンキング革命」ということで、「金融サービスのオープンAPIに関する2017年グローバル調査」を行った。その調査結果は11月初旬に発表される。

確かに、銀行の支店は統廃合で減少傾向にあるのは確かだし、支店の利用者も減ってきているのは確かである。1994年と、ちょっと古い話になるが、かのビル・ゲイツ氏が「銀行取引業務は必要だが、銀行は必ずしも必要ではない」と言い切っている。今、銀行は続々と誕生する新しい金融サービスに対して、生き残るためは何をどう取り組んでいったらいいのかが、日本だけではなく、国際的な規模で問われる時代になってきたことは、確実に言えると、Tony Smith氏は断言する。

だから、「銀行や保険会社への暗黙裡の信頼と、彼らが長年蓄積してきた専門知識によって、今後も銀行は消費者にとって重要な存在であり続けると思われる。ただし、銀行や保険会社は、こうした信頼や専門知識のほか、顧客の生活全般における重要性を強調するとともに、自身が期待されている役割をうまく管理する必要がある」と指摘する。

そこで今、金融機関に重要となってくるのは、テクノロジーを利用した金融サービスの機能面の改善・充実と、さらに、顧客と一体化となる感動や感性のエモーションの分野である、といって、第一部の講演を締めくくった。

第二部「悪い体験をしたときの日本人の対応~アジア9カ国サービス体験の調査結果より~」

続いて登壇したのは、日本支社の金融サービス部門の水野浩一郎氏。講演のテーマは、「悪い体験をしたときの日本人の対応~アジア9カ国サービス体験の調査結果より~」である。

アンケート調査は、オンラインで2017年7月に実施した。サンプル数は各国1000人である。では、どんなことを聞いたのかと言えば、「次にあげるサービスについて、あなたが過去1年以内に体験したサービスは『良い体験』でしたか、それとも『悪い体験』でしたか」というものである。

では、体験したサービスは以下の表の7つのサービスである

体験したサービス 自動車 ①車を購入するためにディーラーへ行った
②車の点検・修理サービスなどを受けた
銀行 ①銀行窓口へ行った
②銀行のコールセンターに電話した
トラベル ①飛行機を利用した
②ホテルに滞在した
リテール ①百貨店に行った

そして、サービス体験については、5段階で評価してもらった。「とても良い体験があった」「やや良い体験があった」「特に良い体験または悪い体験はなかった」「やや悪い体験があった」「とても悪い体験があった」である。

その結果、どうなったのかといえば、まず、日本人は悪い体験が少ない、ということがわかった(全回答の7.3%)。

水野浩一郎氏

サービスの内容についても、「期待通り・期待通り以上」が86.5%を占めた。そこで悪い体験をした人を対象に、問題の解決の状態を尋ねたところ、48.5%が解決されなかったと答えている。タイ(10.9%)やシンガポール(12.1%)と比べると、かなり高い比率である。

「あなたが悪い体験をしたことについて、会社は気づいていると思いますか」という問いには、68.2%が「会社は気づいていない」と答えている。「あなたが体験した問題を解決するために、会社はどのくらい取り組んでいると思いますか」という問いには、67.4%が取り組んでいない、と答えている。「力を入れて取り組んでいる」と答えた人は、わずか6.9%だった。

また、本人も「解決のために努力をした」と答えた人は22.3%で、努力をしなかったという人は37.8%だった。よって、「悪い体験」をしても、会社は気づいていないし、本人も解決のための努力をしないというのが、日本人のひとつの特徴として見えてきている。つまり、悪い体験をしてもほったらかしにしている、というのが日本人の特徴なのである。

そして、悪い体験をした会社サービスを「引き続き利用する」と答えた人は12.9%で、「今後は利用しない」と答えた人は43.8%だった。つまり、個人的な体験による、ブランド選定への影響力はかなり大きい、ということが言える。

この結果を踏まえると、今後、企業は金融サービスも含めて、全業種でどのように顧客に取り組むべきかを真剣に考える必要があるということを、セミナー参加者は痛感させられたことだろう。

<辻 秀雄>

提携先

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