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【日本仮想通貨事業者協会】1月度勉強会「仮想通貨の保管態勢について」「仮想通貨取引に伴う個人の納税について」に潜入取材レポート

2018年1月31日(水)17時から、東京・赤坂見附駅に近くの、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の会議室で、日本仮想通貨事業者協会の2018年1月度の勉強会が開催された。今回は、コインチェックの500億円以上にのぼるハッキング事件のあとだけに、第一部のパネルディスカッションでは、「仮想通貨の保管態勢について」というテーマで、パネラーが意見を交換した。第二部は、仮想通貨の初めての確定申告が開始されると言うこともあって、「仮想通貨取引に伴う個人の納税について」というテーマで、公認会計士・税理士から税金についての説明があった。

パネルディスカッション「仮想通貨の保管態勢について」

パネルディスカッションに先立ち、協会の会長でもあるマネーパートナーズ【関東財務局長(金商)第2028号、関東財務局長第00022号】(https://www.moneypartners.co.jp)代表取締役の奥山泰全氏から挨拶があった。

コインチェックの事件でのマスコミの論調は、技術的な側面ばかりが強調されていていますが、大事なのはコインチェックの内部の管理態勢や業務執行体制がどうなっていたかであって、技術的側面のそのなかの一事象に過ぎない。そのあたりのことからまずパネラーの皆さんの意見をお伺いしたいと思います。まず、マネックス証券の三根さんからお願いいたします」

技術的側面よりも管理態勢が重要

奥山氏からバトンタッチされて、「マネックス証券【関東財務局長(金商)第165号、東京都知事(3)第31319号】の執行役員である三根公博氏がマイクを握る。
「お客さんの財産を保全するのがわれわれの義務です。今回、コインチェックが投資家に示した解決方法でいいのか、はなはだ疑問を感じています」

 

 

続いては、ビットバンク【関東財務局登録番号第00004号】のチーフビットコインオフィサーであるジョナサン・アンダーウッド氏が話す。

「新しい通貨を上場するときは、安全な管理方法を定めてから上場するというポリシーを持っています。そして、あらゆる事態を想定して、セキュリティを万全に考えた上で、コールドウォレットやシグの管理をしています。それが仮想通貨交換業者の最大の命題だと思っています。さらに、常にセキュリティを強度にするための努力を怠らない、というのが仮想通貨取引交換事業者全体の認識だと思っています」

 

 

続いて、SBIバーチャル・カレンシーズ【関東財務局長第00005号】代表取締役の齋藤亮氏がマイクを手に取る。
「業務態勢や業務フローの管理が非常に重要になってきます。もっとも重要なことが仮想通貨取引交換業者が安全管理についてどういうリスクを認識し、どういったリスクアプローチをしていくのか、最終的にそれをオペレーションにどう落とし込んでいくのか、評価していくことが重要だと思っています」

続いて、QUOINE【関東財務局長第00002号】代表取締役である栢森加里矢氏が話す。
「今回のコインチェックの事件は仮想通貨取引交換所の業者としてどう考えてもあってはならないことです。怠慢だと思うし、ホットウォレットに起きっぱなしにしている状況は考えられない。経営者としてはそのリスクを絶対に理解していると思うので、わからなかったとは言えない。われわれは100%コールドウォレットです。コールドウォレットがない仮想通貨は取り扱いません。セキュリティを第一番に考えてサービスを行っていくことが重要だと思っています」

パネラーそれぞれの意見をまとめて奥山氏がこう話す。
「これは技術的な側面というよりは、お客さまから資産を預かって仮想通貨の売買をしたり、保管をしている業者としては、内部の管理態勢、業務の執行態勢をどうするか、セキュリティをどう高めていくかが、高い意識を持って取り組んでいくべき問題だというふうに考えています」

事実と異なる公表は論外!

次に、奥山氏は、コインチェックの説明責任についてパネラーに意見を求めた。それは、コインチェックが外部に説明していたことと、実際に内部で行っていたことが食い違っていたからである。奥山氏はまず三根氏に話をふっていく。
「登録申請をしている業者がとるべき態度ではない。理解しがたい対応です。分別保管をしているにもかかわらず、入金を受け入れて、出金を止めるのがどうしても理解できなくて、現金はお客さまのものなので、止められる理由がないはずです」

 

 

続いて、ジョナサン・アンダーソン氏が話す。
「説明責任で言えば、事実と異なることを公表することは絶対にダメです。さらに、説明の義務としては、セキュリティのレベルが低下しない範囲でお客さまに説明をして、開示をすればいいのではないかと思っています」

 

続いて、齋藤亮氏がマイクを握る。

「コインチェックが外部に公表していた事実と、内部で行っていた実態が異なっているということですが、これは絶対に良くないことで、私からコメントをするレベルの話ではないと感じています」

 

 

さらに、栢森加里矢氏が話を始める。

「誇大広告や消費者をミスリーディングするような表現・表示はどこでもあるので、それは自戒を込めて反省していかなければいけない。工事業者の協会でもチェック&バランスがとれるようになっていかなければいけないと思っています。一方で、今回の事件でユーザーのリテラシーやセキュリティがもっと大事だということがわかった。さらに、自分でセキュリティを考える、業者選びをどう考えたらいいかを、考えさせられる事件であったと言えると思います」

 

このテーマについて奥山氏が次のようにまとめる。
「仮想通貨の登録業者として、投資家や利用者に説明責任を果たしていくのはもう当然の話ですが、投資家自身が知識をきちんと拾得していくなかで、仮想通貨やブロックチェーンの啓蒙活動や知識を学んでいただくことの努力を、マネーゲームしてはいけないということでいえば、投機対象ではないところの仮想通貨の重要性を問うていかなければならない状況にあるのではないかと思います」

業務改善命令は甘い!

そういって、1月29日(火)に金融庁から業務改善命令がでていることについて、パネラーの意見を求めた。まず、奥山泰全氏が口火を切る。
「FX業者でいえば、月に1度でも2度でもお客さまの取引を中止するようなことがあれば、1発で業務停止命令が発せられます。今回の場合、現時点での業務改善命令は途中段階のものなのか、あるいはブロックチェーン技術を期待して野者なのか、この業務系全命令を皆さんがどう思っておられるかお聞きしたいと思います」

 

これについて、三根公博氏は、「足の上げ下げまで金融庁に決めてもらうのではなく、金融に携わる者として、きちんと襟を正して自主規制に取り組む必要があります」と述べた。

次に、ジョナサン・アンダーソン氏が次のように話す。
「業務改善命令がでたのは当然のことです。さらに、今回の事件が起きたことで、仮想通貨は危ないよね、怪しいよねと、いままで仮想通貨に好意的だった人までがそういうようになって、それは同じ業界にいる人間としては悔しい思いをしています。別に業務改善命令が出されていないビットバンクですが、改善できるところはすべて改善しようという決心を改めてしております」

続いて、齋藤亮氏が話す。
「前例がなかったので、いきなり業務停止命令はできなかったのかなという印象はあるが、実態は業務停止命令がでてもおかしくないし、もしかしたらそれ以上に重いことが起きてもおかしくはないと思っています。2月13日までにコインチェックは金融庁に内部態勢の改善であったり、今後の経営管理の在り方などを提出するよう求められているので、その時点で、何らかの沙汰があるのではないかと思っています。もちろん、そこでコインチェックが十分な真摯な姿勢と経営体制の改善が見られると判断されるなら、今後の同社の発展を期待するものになるものになるかも知れません。今回の業務改善命令はまずは様子を見るということで発せられたのはないかと思っています」

続いて、栢森加里矢氏がマイクを代わる。
「業務改善命令を見たときはびっくりしました。甘いな、と思いました。約600億円の盗難、流出、ハッキング、内部の犯行かわかりませんが、そのインパクトを考えると、一発で業務停止だと思っていました。私の共同創業者も甘いんじゃないか、といってきました。ただ、どの段階までが業務改善なのか、業務停止なのか、廃業なのかわからないのですが、現時点での改善命令を聞いたときは、正直、これでいいのかなと思いました。これをきっかけに、仮想通貨の取引をされる方が、取引所を見直すきっかけにはなるかな、思います」

仮想通貨はブロックチェーンネットワークの原動力

パネルディスカッションの最後に、奥山泰全氏がまとめをこう語る。
「仮想通貨は、ブロックチェーンネットワーク、これからのITのイノベーションには欠かせないものであり、ブロックチェーンネットワークを稼働させるための重要な動力源だと考えています。今後、デジタル社会がより発展していくためには、仮想通貨のマーケットが健全に発展することは、とても必要なことです。一方、ここまで仮想通貨の市場が大きくなってくると、お金の側面が非常に大きくなってきますし、ブロックチェーンの発展は願ってやまないわけですが、お金を預かる、交換する業者がどういう態勢でのぞんでいくのか、どういう姿勢で臨むのかについては、しっかり自主規制を進めていく必要があると思っています。さらに、仮想通貨ヲマネーゲームに終わらせてはいけない。仮想通貨の取引交換業者は鉄火場の提供者ではありません。ネットワーク上で、これから法定通貨と交換するブリッジになるような役割を果たすのが、本来の仮想通貨取引交換業者の役割です。感想通貨取引交換業者が存在している意義、視点を忘れずに、利用者に安全で安心した取引をしてもらえるような環境づくりを進めていきたいと思っています」

その後、質疑応答にうつり、18時終了の予定時間を少しオーバーして、第一部のパネルディスカッションは終了した。その後、10分間の休憩をはさんで、第二部「仮想通貨取引に伴う個人の納税について」が始まった。講師は、澤公認会計士事務所の公認会計士であり、税理士の澤昭人氏。日本仮想通貨事業者協会の会計を担当している。

仮想通貨取引に伴う個人の納税

2017年12月1日に、国税庁からTAXアンサーというかたちで、仮想通貨の取引で生じた所得についての税金の区分と計算方法が示された。これが果たして法的にはどうなのかについて、澤氏は次のように述べる。

TAXアンサーは情報に過ぎず、法律ではない

「TAXアンサーと個人課税情報の意味合いを考えてみます。個人が財産権を剥奪されて、税金を課されるのは、憲法84条の租税法律主義からきています。憲法84条は新たな課税をするときは、必ず法律によることを条件としています。憲法84条が定めるものは、一般的に、租税法律主義といわれている。法律によらないと課税はできません。これをもうひとつ明確にいうと、課税要件法定主義、課税要件明確主義ということになります。では、TAXアンサーはあくまで納税者に対する情報でしかありません。法律ではありません。それから、通達というものがありますが、これも課税庁の内部命令書でしかありません。したがって、これは納税者を束縛するものではありません」
そういって、法学部でよく使われる問題を提示して、書かれている内容だけでは判断が難しいケースがでてくるので、それをTAXアンサーなどを使ってどう解釈するかといった情報を流す必要があるので、納税庁ではそうした措置をとっている。

仮想通貨から得た所得は雑所得

それで、仮想通貨の所得が雑所得に区分するとなったとき、「なぜ仮想通貨の損益は雑所得扱いになるのか」といった質問を多数受けたと、澤氏はいい、「それは当たり前だ」と答える。なぜか?
「国税庁が勝手に雑所得にしたわけではありません。法律の定めによって仮想通貨の所得を考えた場合、原則として、雑所得にならざるを得ない、ということです。課税要件で所得の種類が決まっており、明確な区分のなかで、その他規定が2つあります。一時所得と雑所得です。では、仮想通貨の取引で生じた所得は、一時所得なのか、雑所得なのかを考えると、一時所得にはあたりそうにない」
さらに、どちらの所得に区分されるかで、必要経費に違いがでてくるという。

申告分離課税は適用されない

もうひとつは、仮想通貨の雑所得は、FXのように申告分離課税が適用されるかといえば、適用されない。仮想通貨は、金融商品取引法の範疇外だから、申告分離課税にはならない。ただ、金融課税の一本化という動きもあり、将来的には申告分離課税が適用されることになるかも知れない、のである。

その後、澤氏は、仮想通貨の使い方の違いによる税金の計算方法を解説して、セミナーを終えた。

<辻 秀雄>

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