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エイジア Research Memo(5):販促ツールとして電子メール配信システムの需要は今後も拡大が続く

■今後の見通し

1. 市場環境について
エイジア<2352>を取り巻く市場環境は引き続き良好な見通しとなっている。国内のBtoCのEC市場規模は年々拡大を続けており、2017年は前年比9.1%増の16.5兆円、EC化率で5.79%と右肩上がりで成長している。とはいえ、諸外国のEC化率について見ると、米国11%、中国15%、英国15%となっており、海外主要国と比較すると日本のEC化率は依然低水準にとどまっている。このため、今後も国内のEC市場は右肩上がりの成長が続くものと予想される。

こうした成長市場のなかで、インターネットを活用した販促施策はEC専業の企業だけではなく、BtoCの事業を行うすべての企業において重要なマーケティング施策となっている。特に、ここ数年はスマートフォンやSNSの普及によって個人の属性や行動履歴などを分析して効果的なOne to Oneの広告配信を打てるようになってきており、こうしたマーケティング施策をいかに効果的に実施できるかが、売上げを拡大していくうえでの重要な要素となってきている。ここ最近はAI技術を販促施策に活用して効率を更に高める取り組みも増えてきている。こうした市場環境下において、同社を含めてマーケティングソリューションサービスを展開する企業にとっては、事業を拡大していくうえで今後数年間は絶好の好機となっている。

なお、同社が現在注力しているマーケティングオートメーションシステムについては、2014年頃から日本オラクル<4716>やセールスフォース・ドットコム、IBM(日本アイ・ビー・エム(株))などがサービスの提供を開始し、市場が立ち上がり始めている。市場調査会社の予測によれば、同市場は2016年の245億円から2022年には530億円に拡大し、年平均成長率で13.7%増と高成長が見込まれている。ここ数年、参入企業も増加しており、イノベーション<3970>やシャノン<3976>など株式上場する企業も出始めている。同社がターゲットとするBtoC領域においては、セールスフォース・ドットコムや(株)フロムスクラッチなどが競合となるが、同社では電子メール配信ベンダー大手としての強みを生かすことでマーケティングオートメーションシステム市場でのシェアを拡大していく考えだ。


2019年3月期もクラウドサービスをけん引役に、業績は2ケタ増収増益が続く見通し
2. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.6%増の1,700百万円、営業利益が同20.6%増の420百万円、経常利益が同16.0%増の420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.4%増の275百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。上期については開発費や人件費の増加等によって1ケタ台の増収増益となるものの、下期は「WEBCAS AR (Ver.3)」のサービス開始による既存顧客の乗り換え(WEBCAS e-mailからのシフト)や新規顧客の獲得等により2ケタ増収増益を見込んでいる。

事業セグメント別の売上見通しでは、主力のアプリケーション事業が前期比13.9%増の1,400百万円、うちクラウドサービスで同14.6%増の988百万円、ライセンス販売で同26.2%増の226百万円を見込む。ライセンス販売については大型案件の受注もあり、2ケタ増を見込んでいる。なお、「WEBCAS AR」の売上高は前期実績の数百万円から2019年3月期は20百万円程度を計画している。

コンサルティング事業については前期比4.6%増の285百万円となる見通し。コンサルティングサービスについては前期比25百万円増、デザインサービスは同12百万円減を見込む。デザインサービスの減収は前期の大型Web制作案件の反動によるものだ。また、オーダーメイド開発事業については自社製品の開発にリソースを集中するため、前期の22百万円から13百万円と減少基調が続く見通し。

2019年3月期の主な製品開発計画としては、「WEBCAS AR (Ver.3)」を上期中に完成させリリースするほか、次期バージョンについても2019年前半の完成を目標に開発を進めていく。開発費としては前期比40百万円増の157百万円を見込んでいる。次期バージョン(Ver.4)に関しては、電子メールに加えてLINEやDM(紙媒体)にも自動連携するクロスチャネル対応機能を実装する。Ver.3までは電子メールのみの対応だが、複数の販促チャネルから最適なチャネルを自動選択し、最適なタイミングで顧客に配信することが可能となる。サービス料金のイメージとしては「WEBCAS e-mail」を1とすれば、「WEBCAS AR(Ver.3)」が1.2倍、「WEBCAS AR(Ver.4)」が1.5倍程度となる見通しだ。同社が顧客にアンケートを実施したところ、電子メールと同時にDMを活用している顧客のうち殆どが、また、LINE<3938>を同時に活用している顧客のうち5割弱が「WEBCAS AR(Ver.4)」に統合を検討したいとの結果が得られており、製品がリリースされる2020年3月期には「WEBCAS AR」の売上高も本格的に拡大していくものと予想される。

また、クラウドサービスの拡販戦略としては、従来どおり製品開発と連動した形でのプロモーションや営業活動、Webマーケティングによる有望見込み顧客の獲得を行っていくほか、2019年3月期は新たにオンラインセールスチームを新設し、よりスピーディーかつ的確な顧客対応を行うことで成約率の向上につなげていく戦略だ。従来はWebから問い合わせが入っても回答に時間がかかってしまい、成約機会を逸するケースもあったが、初期対応を専門的に行うチームを作ることによって、迅速に顧客対応が可能となり成約率の向上につなげていく。

その他、「WEBCAS AR」の拡販施策として、導入を検討する顧客に対してシナリオ設計をサポートするコンサルティングサービスも同時に行うことで成約率を高めていく戦略だ。コンサルティングサービスについては社内の人員も限られるため、規模が大きくなれば社外の協力パートナーと連携しながら展開していくことも想定している。

なお、マレーシア子会社については2018年3月期に13百万円の損失となったが、2019年3月期は3百万円の損失に縮小し、2020年3月期以降は黒字転化する見込みとなっている。同子会社では2018年4月より現地のBPOベンダーであるData Cohorts社と共同で、金融機関・政府機関向けにメール配信サービス事業を開始しており、今後、同事業の売上げが拡大する見通しとなっているためだ。マレーシアでは銀行口座の取引明細等のトランザクションデータは顧客にメールで配信しているが、個人情報保護法の改正によって、より厳格な対応が求められることになり、同社の「WEBCAS e-mail」を使って金融機関が顧客にメール配信することになる。現在、マレーシア最大の銀行で導入がスタートしており、2社目も現在準備中となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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